ファミリーコンピュータ(1983年発売)からスーパーファミコン(1990年発売)へとゲームハードの世代が変わったとき、もっとも大きな進化を感じたのは映像面の向上でした。
そしてスーファミというゲームハードが成熟するにつれて、ますますゲームグラフィックの質は上がり、ファミコン時代とはケタ違いに美しくなった映像表現に驚いたファンも多いことでしょう。
そこで今回はグラフィックの美しさに定評がある、スーファミ時代の傑作を振り返ります。
■最高水準のドット絵に感動!
まず最初に紹介したいのが、1996年にスクウェアが発売した『バハムートラグーン』です。
浮遊する島にいくつもの国家が存在する世界が舞台。そのなかの覇権国家グランべロス帝国に抵抗する組織を描いたシミュレーションRPGです。育て方によって、さまざまなタイプに育つドラゴンとともに戦うのが特徴で、リヴァイアサンやバハムートといった神竜も使えるようになります。
そんな同作のゲームグラフィックは、スーファミ後期の作品ということもあって圧巻の美しさ。フィールドそのものの映像クオリティが高いだけでなく、フィールドにかかる半透明の雲や霧といった描画表現が秀逸で、幻想的な雰囲気を醸し出します。
緻密なドット絵で描かれたキャラクターの出来も素晴らしく、とくに神竜を召喚したときの動きなどは必見です。
当時のスクウェアは『バハムートラグーン』の前に、『クロノ・トリガー』『聖剣伝説3』『ロマンシング サ・ガ3』などを立て続けにリリース。スーファミ後期のスクウェア作品の映像クオリティは、当時のゲームメーカーのなかでも突出していた感がありました。
ちなみに『バハムートラグーン』は「スクウェア三大悪女」のひとりと揶揄される有名なヒロイン「ヨヨ王女」が登場する作品としても知られています。
■ポリゴンを実現した革命的3Dシューティング
任天堂が1993年に発売した『スターフォックス』(任天堂)も、おもに映像面で衝撃をもたらした作品です。本作のロムカセットには「スーパーFXチップ」が搭載され、ポリゴン描画による3Dシューティングを実現しました。
今見ると貧弱に感じますが、93年当時の家庭用ゲームとしては最先端かつ革命的なグラフィック表現で、『スターフォックス』で3Dポリゴンに初めて触れたというプレイヤーも多かったはず。3D表現による画面の奥行や左右から迫りくる敵機の迫力、建物が並ぶ狭い空間をギリギリすり抜ける感覚は、これまでの家庭用ゲームでは味わえないものでした。
とくに宇宙空間で撃墜した敵が爆散する美しい映像表現は思わず見惚れるほどで、グラフィック面で衝撃を受けた忘れられない作品です。