■自分はヒロインだと疑わない女子高生『ヒロイン失格』桐谷美玲

 2015年に公開された幸田もも子さん原作の映画『ヒロイン失格』。本作で、桐谷美玲さんが演じた松崎はとりは、山﨑賢人さん演じる幼なじみ・寺坂利太と両想いだと思い込み、「自分はヒロインなんだ」と信じて疑わない女子高生だ。しかし、その最愛の利太を地味女子に奪われ、“ヒロイン”の座を取り戻すため奮闘することになる。

 はとりはバッチリ決めた茶髪の巻き髪に長いまつ毛が印象的なギャルで、映画では凝ったヘアアレンジと適度に着崩したミニスカートの制服姿が可愛いオシャレな女子高生だ。恋愛は百戦錬磨かと思いきや、幼なじみを一途に思い続けているピュアさを持ち合わせている。

 いつも一生懸命で表情がクルクルと変わるはとり。原作の大ファンであった桐谷さんは「いつの日か、はとりを!」と願い、映画化が決まるずっと前から密かにはとりが見せる変顔の特訓までしていたとのこと。失礼ながらその姿を想像するとなんとも微笑ましく思えて笑ってしまうが、その成果もあってか、作中では原作通り表情豊かで元気いっぱいなはとりを見事に再現していた。

 さらに途中、恋愛に敗れ恋を捨てたはとりは頭を剃る場面があり、桐谷さんは衝撃の坊主姿を披露している。この坊主は特殊メイクで再現されていたのだが、その姿に共演の坂口健太郎さんも大興奮だったようだ。そして、誰より1番喜んでいたのは桐谷さん本人だったらしく、自ら写真を撮って楽しんでいたという。

 本作のヒロイン・はとりを愛し、演じることを思いっきり楽しんでいる桐谷さんの姿が印象的な一作だ。

 

 今回は、意外なギャル姿が最高だった女優を紹介してきた。

 ギャルには不思議な魅力があるように思う。それぞれの女優たちはギャル役を通じて、観客に強い印象を残し作品の魅力を一層引き立てていた。それは、その派手な外見はもちろん、内面の変化や成長も見事に表現していたからだろう。

 次期朝ドラの『おむすび』、橋本さんはどんなギャルを見せてくれるのだろうか。非常に楽しみだ。

  1. 1
  2. 2
  3. 3