■死んでなお、思念体となりジェリドを支えた
ジェリドと行動をともにするにつれ、公私ともにパートナーとなっていくマウアー。野心が強く軍内でもよく衝突を繰り返し、そしてカミーユのことになるとさらに冷静さを失いがちな危なっかしいジェリドを献身的に支えた。
そして第30話「ジェリド特攻」にて、キスを交わしガブスレイで出撃したジェリドとマウアー。この戦闘でも、やはりジェリドは前のめりになりすぎていた。
カミーユに攻撃を仕掛けるも失敗。反撃してきたZガンダムのビームは直撃かと思われたが、マウアーが乗るガブスレイが間に入り、彼の盾となって爆散してしまう。「守ってみせるって言ったろ ジェリド」という最期の言葉も、彼女らしいカッコいいものだった。
マウアーの死に怒りカミーユに襲いかかるジェリドだったが、それも返り討ちにあい、気を失ってしまう。だが、そこに現れたのがマウアーの思念体だった。肉体的にも精神的にも傷ついていたジェリドに再び戦う力を与えたのだ。その後のジェリドの戦闘は、カミーユにしても「あれは普通じゃない」と言わしめるほど、鬼気迫るものがあった。
マウアーは自分を犠牲にしてまで愛した男性を守り、さらに死んでもなお戦う力を与えたのだから、まさに驚異としか言いようがない。
今回は『機動戦士Zガンダム』に登場するマウアー・ファラオのすごさについて振り返ってきた。パイロットとしての実力は一流、とくにジェリドとのコンビネーションはピカイチであり、そして、死後も思念体として彼を支え続けるなど献身的な姿も印象的だった。
マウアーは全50話中30話目に死亡してしまう途中退場のキャラだったものの、今でもファンの記憶に残る素晴らしいキャラであることは、誰もが認めるところだろう。