『機動戦士Zガンダム』美貌だけじゃない…マウアー・ファラオが「いい女」なワケの画像
北爪宏幸『機動戦士ZガンダムDefine シャア・アズナブル 赤の分水嶺(17)』  (C)Hiroyuki Kitazume 2020 (C)創通・サンライズ

 『機動戦士Zガンダム』に登場するマウアー・ファラオは、美貌だけでなく、知性と戦闘力を兼ね備えた女性だった。ティターンズのモビルスーツ(MS)パイロットとして精神的にも戦闘面でも、パートナーであるジェリド・メサを支え続けた。

 そして、劇場版『機動戦士Ζガンダム A New Translation』のパンフレットで判明した、17歳(テレビ版では21歳)という年齢に驚いたファンも少なくないだろう。その大人びた雰囲気からはまったく想像できず、彼女がガンダムきっての“いい女”と称されていることにも納得だ。

 この記事では、そんなマウアー・ファラオの魅力に迫ってみたい。

■言い寄るシロッコも一蹴

 ジャブロー内のニュータイプ研究所で訓練を受けていたマウアー。第12話「ジャブローの風」で、核爆発が迫るジャブロー基地で、輸送機にすがりつくジェリドに手を伸ばして助ける謎の緑髪美女として登場した。

 理知的で冷静沈着なマウアーだが、当初はジェリドとパプテマス・シロッコとのあいだで迷っているような描写もあった。しかし、自分に言い寄るシロッコが、あからさまにジェリドを蔑む姿を見て「なんて男!」と嫌悪感を示し、それ以降はジェリドのパートナーとして彼を支えていくようになる。

 マウアーが振ったシロッコは誰もが認める天才であり、地球連邦軍のなかでも確固たる地位を築こうとしている若手ナンバーワンの男だ。彼の誘いを断ることができる女性、そして軍人が宇宙世紀にどれほどいただろうか。それを一蹴できるマウアーはカッコ良く、やはり凄い。

■ジェリドとのコンビネーション

 マウアーはパイロットとしても一流だ。作中、彼女がはじめてMSを操縦する姿を見せたのが、第21話「ゼータの鼓動」だった。新型MS・ガブスレイを与えられたマウアーは、メッサーラに乗るシロッコとの模擬戦をおこなう。その際、シロッコの後ろを取るなどして、彼も認める実力を見せていた。

 さらに、ジェリドとのコンビネーションもピカイチだった。彼とのコンビネーションで、カミーユ・ビダンの乗るガンダムMk-II、そしてZガンダムをも撃墜寸前まで追い込んでいる。

 また、戦闘補佐もそうだが、マウアーはカミーユに固執するあまり冷静さを失いがちなジェリドを精神的に支える役目をも担っていた。

 たとえば第23話「ムーン・アタック」にて、“アポロ作戦”でシロッコに囮に使われてしまったジェリド。彼を助けようとマウアーは無断で出撃し、カミーユを目前にして熱くなり、撃墜寸前となっていたジェリドをギリギリで助けている。

 作中の活躍を見る限り、おそらくパイロットとしての実力はジェリドよりも上だったのではないだろうか。それでもなお「カミーユを倒す」というパートナーの目的達成のために、マウアーはサポート役に徹する。愛する人のためとはいえ、ここまでできる人物もなかなかいないだろう。

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