鳥山明さんによる『ドラゴンボール』(集英社)は、2024年10月から新作アニメ『ドラゴンボールDAIMA』が放送開始となる。いまだ人気が衰えることなく、多くのファンから愛され続けているスゴい作品だ。
本作の魅力のひとつに迫力満点のバトルが挙げられるだろう。キャラたちの個性的かつ多彩な能力がぶつかり合うかたちでさまざまな戦いが展開され、読者をひきつけた。
中でも、初期に登場した、超能力を使えたブルー将軍は画期的だった。それまでそんな能力を使って戦うキャラがいなかったので、どうやって倒すのか予想がつかなかったからだ。おそらくあの時点では、最強クラスだったに違いない。だからこそ、意外とあっさり死んでしまったのが驚きだった。
そこで今回は、“チートキャラ”とすら思えた強敵・ブルー将軍がなぜ死んだのか? を考察していきたい。
■ブルー将軍が「チートキャラ」だと言えた理由
まずは、ブルー将軍とはどんな人物なのか、というところから振り返っていこう。ブルー将軍は、レッドリボン軍の将軍の中でも随一の力を持つ人物である。独特な言葉づかいで話すのが特徴で、キャラもかなり立っていた。
他の隊員たちは悟空たちに手も足も出ないであっさりと倒されてしまう中、たったひとりで悟空やクリリン、亀仙人までも追い詰めてしまう。
そこにはブルー将軍が持つ特別な能力が関係している。彼は超能力を使って自分に有利に戦いを運べるのだ。使える能力はふたつで、ひとつは相手を睨みつけることで動きを封じてしまう金縛り。もうひとつは、手を触れずして自在にものを操るサイコキネシスだ。
当時の『ドラゴンボール』では、特殊な能力を持つキャラはそこまで登場していなかった。そのためどの敵も悟空に力でねじ伏せられるかたちとなっていたが、ブルー将軍の超能力によって流れが変わる。
動きを封じられてしまうと、さすがの悟空も何もできなくなってしまうからだ。しかも金縛りを解けるのはブルー将軍だけで、気合いではどうすることもできない。超能力にかかってしまうと、ブルー将軍の独壇場となるわけだ。
対抗策がなかったので、あの時点での能力としては“反則級”としかいいようがない。
■あの時の悟空たちはブルー将軍に勝てないのか?
悟空たちはブルー将軍と戦う場面が何度かあった。最初に相手になったのはクリリンだが、金縛りを掛けられボコボコにされる。
次に対決したのが悟空で、同じように金縛りによって動きを封じられると、銃で頭を撃ち抜かれそうになった。しかし、その時にブルー将軍の嫌いなネズミが現れたことで驚き、金縛りが解けてしまう。そのおかげで、悟空は金縛りの状態から脱することができたのだ。
その後ブルー将軍はカメハウスに近づくと、サイコキネシスによって縄を動かしてその場にいる全員を捕縛。強力な時限爆弾を置いて立ち去っていった。こうして大ピンチに陥った一同だったが、後からやってきたランチが縄を切ってくれてなんとか助かる。
そして、ブルー将軍と悟空の二度目の対決がおこなわれたのがペンギン村だった。ここでも悟空は金縛りを食らって殺されそうになったが、そばで見ていたアラレちゃんがブルー将軍をキックや頭突きで吹っ飛ばしてくれたのだった。
一連の流れから分かるように、悟空たちが何度も訪れた窮地を乗り越えられたのは、言ってしまえば運が良かっただけである。実力でブルー将軍に勝ったとはとてもいえない。
唯一ブルー将軍を真っ向から撃退したのがアラレちゃんだが、彼女はロボットでおそらく金縛りが効かないだろうし、例外の存在といえるだろう。