『東京喰種』蒼井優に『銀魂』菜々緒、『寄生獣』深津絵里も…漫画実写化作品で「美しい悪役」を見事に演じた実力派女優たちの画像
菜々緒  写真/ふたまん+編集部

 漫画作品において、「美しい悪役」は物語を彩る重要な存在だ。ゆえに、実写化された際は、その悪役を誰が演じるかが非常に注目される。見た目の美しさはもちろん、オリジナルのキャラが持つ敵役としての魅力を引き出さなければならないため、作品の評価に大きくかかわる重要なポジションを担っていると言っていいだろう。

 そこで今回は、「美しい悪役」を演じた実力派女優たちに注目し、それぞれの役柄が作品にどのような彩りと深みをもたらしたのかを振り返ってみたい。

■清楚な姿に隠した恐ろしき本性『東京喰種 トーキョーグール』リゼ役・蒼井優

 石田スイさん原作の人気漫画を実写化した、2017年公開の映画『東京喰種 トーキョーグール』。平凡な大学生だった窪田正孝さん演じる主人公・金木研(カネキ)を、半分人間と半分喰種(グール)に変えるきっかけを作ったのが、蒼井優さん演じる神代利世(リゼ)だった。

 カネキは喫茶店「あんていく」で自分と同じ本を愛読するリゼに出会い、彼女に惹かれていく。物静かで理知的なリゼは一見清楚な女性だが、その本性は飽くなき食欲に突き動かされ人を襲う危険な喰種「大喰い」だった。

 映画では、カネキとのデートシーンで突如豹変し、彼に襲いかかるリゼの姿が衝撃的だ。人気のない夜道でカネキの首に噛みついて肉を喰いちぎり「美味しい」と呟くシーンは、まさにホラーそのもの。

 その後、“赫眼(カクガン)”という本作独特のバケモノ状態になり、カネキを弄ぶように追い回すリゼ。しかし最後は鉄骨落下事故に巻き込まれ、そしてカネキが半喰種になる原因となる赫包移植につながっていく。蒼井さんはこのシーンで、リゼの冷徹さと自由奔放さ、そして美しさを見事に表現し、作品に迫力を与えていた。

 ちなみに、当時の舞台挨拶で蒼井さんは「(純朴なカネキを操る感覚が)釣りをしているようで楽しかった」と振り返っていた。こういった感想を持てるあたり、リゼは蒼井さんにとっても相性のいい役だったのではないだろうか。

■美しき二丁拳銃の使い手『銀魂』来島また子役・菜々緒

 空知英秋さん原作、2017年公開の実写映画『銀魂』は、小栗旬さん演じる坂田銀時の活躍を中心に、ギャグと人情、ド派手なアクションが詰まったエンターテインメント作品だ。そして、本作に登場した美しき敵役が、菜々緒さん演じる来島また子だ。

 武装集団「鬼兵隊」の女性幹部であり二丁拳銃の使い手、“紅い弾丸”の異名を持つ来島また子。菜々緒さんは当時のインタビューで「一から手作りで作られた衣装やウィッグを身に着けたとき、“来島また子”に近づけるかもしれないと感じました」と語っており、その抜群のスタイルで露出度の高い衣装を着こなし、美しく攻撃的なまた子を見事に再現していた。

 また作中、また子は堂本剛さん演じる鬼兵隊リーダーの高杉晋助にぞっこんな姿を見せているのだが、口癖の「◯◯ッス」も相まって非常に可愛らしい。そんなまた子の二面性も、本作の見どころだろう。

 とくに、武市変平太演じる佐藤二朗さんの独特な言い回しに、菜々緒さんが思わず吹き出してしまうシーンはとてもチャーミングで、個人的には大好きなシーンだ。

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