■強面だけど無類のファンシー好き?
作中で呪術師を育て上げる育成機関である「高専」には、京都にある京都校と、五条や狗巻らが属する東京校のふたつがある。そのうち、東京校の学長を務めているのが「夜蛾正道」だ。
刈り上げた髪にあごひげ、サングラスと強面まっしぐらな外見をしており、ガタイの良い体つきやたびたび「ガッデム」と発言していることから、プロレスラーの蝶野正洋さんをモデルにしていると思われる。
有する術式は「傀儡操術」で、人形に呪いを込めた「呪骸」を作り出し、操ることが可能。狗巻と同じ2年生のパンダも彼が制作しており、最高傑作といわれている。
そんな夜蛾の一番のギャップといえば、「カワイイ物好き」という面だろう。術式で作った呪骸も、どこかかわいらしいファンシーなモノが多く、初登場シーンでは女子の部屋かと思うほど、かわいい人形に囲まれていた。
初対面時に虎杖も「オッサンがカワイイを作っている!!」と衝撃を受けており、かなりのギャップであるのは間違いない。
しかも、呪骸にする人形は自分で裁縫して作っているようだが、意図的にかわいくしようとは思っていないそうだ。
ただでさえ血なまぐさい呪術界に身を置き、さらに学長という責任ある立場と威厳ある外見を持ちながらカワイイ物好きとは、見事なまでのギャップである。
呪術師、呪霊、呪詛師らが血みどろの“呪い合い”を演じる『呪術廻戦』の連載は、最終回まで残り数話となった。しかし、個性的なキャラクターたちのさまざまな魅力は、読者の胸に刻み込まれているはずだ。名残惜しくはあるが、これまで大いに楽しませてくれた物語を最後まで見届けたい。