『週刊少年ジャンプ』(集英社)に連載中の人気漫画『呪術廻戦』。人の負の感情から生まれた呪霊、それを悪用して人に仇をなす呪詛師たちと、主人公・虎杖悠仁ら呪術師たちとの"呪い合い"を描いた物語だ。
作者の芥見下々氏による個性豊かなキャラが登場するなかで、「そんな一面があるの?」という意外性で読者を魅了した人物も少なくない。
完結まで「あと数話」となった今、『呪術廻戦』でとくに印象に残る、魅力的なギャップを見せてくれたキャラを振り返ってみよう。
■実は酒に弱かった、現代最強の呪術師
『呪術廻戦』という作品を語るうえで欠かせない人物のひとりが、「五条悟」だ。
日本に4人しか存在しない特級術師のひとりで、自他ともに認める「現代最強の呪術師」である。虎杖と乙骨の両名が通う呪術高専東京校の1年生の担任を務め、後進の育成に力を注いでいた。
呪術界の御三家と呼ばれる名家の一家「五条家」の当主であり、生まれながら緻密な呪力の流れを観測可能な“六眼”や、ほぼ無敵に近い攻撃力と防御力を生み出す“無下限呪術”を持った、別格の術師だ。
態度は尊大というよりも軽薄で、目上の人に対してもヘラヘラとした態度を崩さず、後輩からは「尊敬はしてません」と言われるほどである。
そんな五条悟の意外な一面は、「酒に弱い」ということ。いわゆる下戸で、公式ファンブックにも「苦手な食べ物:アルコール」と明記されている。
物理的な攻撃はほぼすべて無効化する無下限呪術を操る五条だが、アルコールのように体内に摂取したものはうまく分解できないという。いかに現代最強でも酒に酔うことは避けられず、緻密な操作を要する無下限呪術の真価を発揮できなくなるらしい。
また、劇場版の入場特典である『0.5巻』に収録された作者への質問の中で「お酒の失敗談があれば知りたい」という質問に対し、「学生時代に失敗しています」と記述されている。
呪術戦となれば無敵に近い実力を有する五条が酒を飲んで失敗し、苦手にしているというのは、「甘いもの好き」なところと併せて、意外かつ魅力的なギャップだ。
■言葉は少なくとも仲間想い!
呪術高専東京校の生徒で、パンダや禪院真希、乙骨憂太らと同じ2年生の「狗巻棘」。
彼の有する術式は、狗巻家に伝わる高等術式の「呪言」。言霊の力で「潰れろ」「爆ぜろ」などと言えば、その通りの事象を起こせる。
ただし、この術式の性質上、仲間や無関係の第三者にまで影響を及ぼしてしまうこともありうる。それを考慮して、ふだんは口数が少なく、会話では「しゃけ、おかか、すじこ」といったおにぎりの具名だけで意思疎通を図っている。
そんな事情を知らない人には怖がられることも多いが、実は非常に仲間想いで優しい性格というギャップの持ち主だ。
本編でも活躍はしているが、狗巻の場合は乙骨が主役の『呪術廻戦0』での見せ場も多い。乙骨が高専に入学した当時から気にかけており、本来狗巻は単独で任務にあたれる立場だったが、当時、孤立気味だった乙骨とコンビを組むなど、気遣う場面も印象的だ。