■セナとヒル魔の夢の対決『アイシールド21』

 高校アメフトという珍しい題材で人気を得た『アイシールド21』(原作:稲垣理一郎氏、作画:村田雄介氏)も、復活読み切りで話題になった漫画のひとつだ。

 2024年1月に連載21周年を記念して『ジャンプ』に掲載された読み切りで、“アイシールド21”こと小早川瀬那と、“悪魔の司令塔”・ヒル魔こと蛭魔妖一の元チームメイト対決が描かれたのだ。

 『アイシールド21』は、もともとファンの間で続きが期待されていた作品だ。成長したキャラたちが大学アメフトで熱戦を繰り広げる未来が示唆された最終回を読んで「この先が見たい!」と熱望した読者は多い。

 その待望の大学編を描いたのが今回の読み切りだ。そしてメインのセナとヒル魔が競いあう試合がこれまた熱い! 本場アメリカのプロリーグ入りをかけた戦いで、普段は弱気なセナも夢を叶えるため果敢にヒル魔に挑む。ヒル魔もプロ入り最後のチャンスを掴むべく、高校の頃のような奇策でセナを迎え撃つのだ。

 連載終了から14年経っていたというのに、それは本編と遜色なく面白い『アイシールド21』だった。

 現在、稲垣先生は『Dr.STONE』(作画:Boichi氏)や『トリリオンゲーム』(池上遼一氏)の原作として、村田先生は『ワンパンマン』(原作:ONE氏)の作画として、両名とも超売れっ子の漫画家となっている。そんな2人が再びタッグを組んだのも、セナVSヒル魔と同じぐらい夢のような出来事といえるだろう。

 

 好きな漫画がたとえ最終回で綺麗に終わっていようと、その続きを見たいと願うのが漫画好きの宿命だ。そんな読者の気持ちに応えてくれる復活読み切りはありがたく、一時だけでも心を懐かしいあの頃に帰らせてくれる。

 『ジャンプ』の名作漫画で復活読み切りを発表しているタイトルは少なくない。あなたの青春の漫画も調べてみたら、最終回の“その先”を見せてくれているかも。

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