■ガンダムとは思えない悲惨なやられっぷり
最後は『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』に登場する「ZGMF-X23S セイバーガンダム」。パイロットはキラ・ヤマトの親友であるアスラン・ザラだ。
『SEED DESTINY』の世界では各勢力にMS保有数等の制限がかけられており、その数は人口などによって決められる。よって人口の少ない勢力においては、MSに高い汎用性と高性能化が求められた。その目的をもってプラントで作られたMS群は「セカンドステージシリーズ」と呼ばれ、セイバーガンダムもその1機である。
MS単体でも高性能ながら、MA形態への変形機能を採用。とくに大気圏内で優れた機動性を発揮し、長距離飛行も可能だ。高火力のビーム兵器を用いての一撃離脱戦法が得意で、運動性能の高さと継戦能力に優れた高性能機である。
そんな優秀なセイバーガンダムは、被弾する場面すらほぼなかったが、第28話「残る命散る命」でまさかの展開を迎える。
親友のキラ・ヤマトが駆る「フリーダムガンダム」と交戦して互角に戦いを繰り広げたが、アスラン自身の心の迷いを突かれて動揺。
その瞬間に、SEEDを発動したキラのフリーダムガンダムによって、セイバーガンダムは頭部、両腕、両脚をすべて斬り落とされるという、あまりにも無惨な姿にされ撃墜されてしまった。
『機動戦士ガンダムSEED』シリーズのファンからは「迷いのないアスランは最強」との声もあがるほどなので、アスランのメンタルが安定していたら、セイバーガンダムにあのような悲劇は起こらなかったのかもしれない……。
今回紹介した機体は、性能面では申し分なかったはずなのに、あまりにも不遇な扱いを受けてしまったものばかり。いずれもファンの多い魅力的な機体だけに、もう少し活躍シーンを見てみたかったという想いもある。
ガンダム好きの皆さんにとって「もっと活躍が見たかった残念な機体」といえば、何を思い浮かべるだろうか。