■ユーモアにあふれ、パイプを愛するダンディさ

 職務中は、自分にも部下にも厳しいムラマツキャップですが、平時のときは部下の言葉にユーモアで返す場面もあります。そういう親しみやすい一面で、部下だけでなく、視聴者の心もつかんだのかもしれません。

 また、現在では少々肩身の狭い愛煙家でもあるキャップは、パイプたばこを愛用しています。ブルーのジャケット姿で煙をくゆらせる姿がとてもダンディで印象的。コーヒーとたばこは、ムラマツキャップのトレードマークと言えそうです。

 個人的には、ホシノ少年が慌てているところに、キャップが自ら淹れたであろうコーヒーをスッと差し出して落ち着かせるシーンが好きで、その気遣いに大人の余裕を感じました。

 厳しさと、懐が広く寛容さを兼ね備えたムラマツキャップは、『ウルトラマン』の劇中で36歳とのこと。その年齢であれだけの人間的魅力にあふれた人物は、シリーズを通してもなかなかいないのではないでしょうか。

 そして部下の隊員から、隊長ではなく“キャップ”と呼ばれ、慕われていた強く頼もしいリーダーです。子どもの頃に見ていたアニメや特撮作品のなかでも「カッコいい大人」の象徴のように感じられ、憧れた人物が「ムラマツキャップ」でした。

 皆さんは、子どもの頃どのような大人に憧れを抱いたでしょうか。

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