『ヒロアカ』ミリオに『進撃の巨人』ミケ、『ジョジョ』フーゴも…バトル漫画で「突然消えてしまった強キャラ」たちの画像
『僕のヒーローアカデミア』4th Vol.1 DVD 初回生産限定版(東宝)

 バトル漫画には、かなりの強さでありながら物語の途中で退場してしまうキャラが登場する。彼らは素晴らしい能力や魅力的な個性を持っており、物語に彩りを加える存在だ。ゆえに、その退場は多くの読者に衝撃を与えることとなった。

 しかし、なぜ彼らは退場してしまったのだろうか? もしも作中に残り続けていたら、どんな展開が待っていたのだろうか? 今回は、惜しまれつつも物語から姿を消してしまったキャラたちに焦点を当て、その魅力と物語に与えた影響を考察していく。

■最もNo.1に近かった男『僕のヒーローアカデミア』通形ミリオ

 堀越耕平さんの『僕のヒーローアカデミア』に登場した通形ミリオは、強くて魅力的なキャラであり、ゆえに途中離脱が非常に衝撃的なキャラだった。

 ヒーロー名・ルミリオンことミリオは、天喰環、波動ねじれとともに雄英高校のトップ「ビッグ3」に数えられる生徒であり、ヒーロー科の教師・相澤消太に「俺の知る限り最もNo.1に近い男」と言わしめるほどの実力者として登場した。

 ミリオの個性は“透過”で、あらゆる物が身体をすり抜けることができる。さらに、個性の応用によって、ワープにも似た高速移動も可能だ。模擬戦闘では、轟、爆豪を除くA組18名と戦い圧倒している。

 このように作中では敵味方から“無敵の個性”と称されるミリオだが、はじめから圧倒的な強さを誇っていたというわけではなく、地道な訓練によって磨き上げてきたものだ。彼はバトルでの強さ以上に、心の強さも魅力のキャラであった。

 そんなミリオだが、「ヒーローインターン編」死穢八斎會の強制捜索の際、“個性破壊弾”をその身に受けて個性を失い、戦線離脱となってしまった。

 仮にミリオが個性を失わずにそのまま活躍し続けていたら、どうなっていただろうか。オールマイトの後継者に推薦された過去を持つミリオだが、“ワン・フォー・オール”を受け継いでいた展開は考えにくい。その証拠ではないが、死穢八斎會の事件後のミリオにデクが「もし僕が個性を先輩に渡せるって言ったら」という申し出にも、ミリオは「いらないです」と即答している。

 ちなみに、ファンに驚きを与えたミリオの戦線離脱だったが、本人は前向きに行動し続け、その後大きな活躍を見せることになるのだった。

■調査兵団ナンバー2の実力者でありながら…『進撃の巨人』ミケ・ザカリアス

 諫山創さんの『進撃の巨人』に登場するミケ・ザカリアスも、途中退場が残念だったキャラだった。

 ミケはハンジと同じ調査兵団の分隊長である。空気の匂いを嗅いで巨人の数や位置を把握できるほどの鋭い嗅覚を持っており、兵士としてもかなりの実力者。作中最強とされる兵士・リヴァイに次ぐ調査兵団ナンバー2として登場した。

 ミケは、リヴァイとエルヴィンとの出会いを描いたスピンオフ作品『進撃の巨人 悔いなき選択』にも登場している。調査兵団の一人として地下に暮らすゴロツキだったリヴァイの前に現れ、エルヴィンと二人がかりだったがリヴァイと互角以上の戦いを見せた。

 そんな強キャラ・ミケは、アニメ第26話「獣の巨人」でジークと戦うことになる。未知なる“獣の巨人”を前にし、立体機動装置も奪われて心が折れそうになるも「戦い続ける限りはまだ負けていない!」と自分を奮い立たせる。しかし最後は、無垢の巨人たちに四肢を割かれ、命を落とすこととなった。

 仮にミケが生き延びていたら、その後のウォール・マリア奪還作戦にも参加していただろう。嗅覚に優れるミケは壁に隠れるライナーもあっさり見つけ、周知を取り囲む巨人の存在にもいち早く気づき、この戦いでほぼ壊滅状態となった調査兵団の未来を変えていたかもしれない。

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