■「すすんでいる新聞受け」の未来は回避できず…

 さて、これまで商品を使って私利私欲を肥やそうとする人が多かったが、商品の力に甘んじることなく、“便利な道具を手にいれた物は、道具に頼って失敗する”と冷静な者もいた。

「すすんでいる◯◯」を購入し、うまく使いこなしていたのは三浪中の浪人生。

 彼はかぶるだけで学習意欲が沸いて勉強がはかどるという「すすんでいる帽子」を買い、選択問題の正しい選択肢に進んでくれる「すすんでいるマスコット」を手に入れ、順調に成績を伸ばしていった。

 また一方で、未来のことが書かれている新聞を読むことができる「すすんでいる新聞受け」を手に入れギャンブルなどに利用していたが、受験当日に会場近くの橋で彼が事故死してしまうという記事を目にする。

 彼は新聞にあった橋を避け、用心深く自転車で試験場に向かうものの、そこで交通事故に巻き込まれて救急車で運ばれる。そして結局、救急車が事故の起きる予定の橋を渡り、記事通りに橋の崩落で命を落としてしまうのだった。

 新聞に書かれた結末は回避しようがないということなのだろうか、この浪人生はきちんと自分を律して、商品に頼り切ることなく真面目に勉強していたが、悲惨な運命を迎えてしまった。なんともかわいそうな主人公だった。

「不思議な商品」シリーズが必ずしもバッドエンドばかりではないことは伝えておきたいが、それは主人公が商品に頼らず努力をしたため。この番組から我々は、多くのことを学べたのではないだろうか。

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