■おバカで忠義に厚い3人組『仮面ライダービルド』北都三羽ガラス

 2017年から放送された『仮面ライダービルド』に登場する「北都三羽ガラス」も、憎めないいい怪人だった。

 ストーリー中盤、東都に侵攻を始めた北都。その尖兵として暴れ回ったのが、赤羽・青羽・黄羽の3人組の“北都三羽ガラス”だ。

 3人とも本作の怪人“スマッシュ”の上位種“ハードスマッシュ”に変身し、登場時は犬飼貴丈さん演じる桐生戦兎の仮面ライダービルドをも圧倒するほど、高い戦闘力を持っていた。

 その一方、本作のおバカ担当だった万丈龍我にさえ「お前らさては……バカだな?」とからかわれるほど抜けている部分があったり、自分たちや家族の面倒を見てくれた猿渡一海のことを“カシラ”と呼んで慕い、彼の恩に報いるため怪人になった過去を持っていたりと、なにかと憎めない部分の多い3人組でもあった。

 そんな北都三羽ガラスだが、物語が進み激しい戦いが繰り広げられるなか、青羽、そして、続いて黄羽が死んでいく。残る赤羽も第25話「アイドル覚醒」にて仮面ライダーローグに敗れ「カシラ…ありがとうございました」という言葉を残し、消えていった。

 ちなみに、その直後の敵討ちとばかりに戦兔と万丈そして一海が横並びになり、本作の3人の仮面ライダーが揃う変身シーンは本作屈指の名場面の1つだ。

 このように本編では悲しい最期となった北都三羽ガラスだったが、最終話「ビルドが創る明日」で、スカイウォールがなくなった新世界にも登場する。そこでは一海とともにカフェ“nascita(なした)”を訪れ、楽しく過ごしている姿があった。

 

 今回は『仮面ライダー』シリーズに登場した“いいヤツ”だった怪人たちと、その悲しい最期を振り返ってきた。いずれの怪人たちも単なる悪役にとどまらず、複雑な背景や感情を持っており、そしてその悲しい最期は視聴者の心を揺さぶった。

 『仮面ライダー』シリーズには今後どんな怪人が登場するのだろうか。これからも楽しんでいきたい。

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