■打ち切りエンドにびっくり『ドラゴンクエスト』
1989年からフジテレビ系で放送されたアニメ『ドラゴンクエスト』は、RPGの金字塔『ドラゴンクエスト』シリーズをベースに制作されたオリジナル作品だ。パーティは勇者アベルと聖女ティアラ、“ちからもち”モコモコ、女戦士デイジィ、魔法使いヤナックで、大魔王バラモスを倒すべく奮闘する彼らの旅を描く。
放送は土曜19時30分と高視聴率を狙える枠ながら、32話で実質打ち切りとなってしまう。
32話は、不死鳥ラーミアを蘇らせるオーブの最後の一つが見つかり、バラモスとの最終対決に向けて決意を新たに。まさに「俺たちの戦いはこれからだ!」という場面だ。しかしラストで突然、老婆が二人の子どもに読み聞かせをするシーンに移行し、老婆の口から“勇者とティアラ以外は皆死んだ”、“ティアラの愛と竜の力で大勇者となった勇者がバラモスを討つ”というクライマックスが語られて終わる。アベルとの過去を思い出す描写からこの老婆はティアラだと推測されるが、この展開には多くの視聴者が困惑したはず。
その後、ローカル枠で1991年から第2期(全11話)がスタート。しかし、死んだはずのメンバーが生きていたりデイジィの弟が登場したりと、ここではティアラの語る結末がなかったことになっていた。
こういった個性的すぎる終わり方をしたアニメは完結後も長い間視聴者の記憶に残るもの。打ち切りは残念なことだが、長年愛される作品となったという意味では成功だったのかもしれない。