■最終話でやっと素直になった2人『シティーハンター』冴羽獠
1985年から連載が始まった北条司さんの『シティーハンター』。くっつきそうでなかなかくっつかない主人公・冴羽獠と槇村香だったが、コミックス最終35巻でやっと読者念願の告白シーンが描かれている。
海坊主と美樹の結婚式がおこなわれるなか、獠を狙うクロイツ将軍一派によって香がさらわれてしまう。敵アジトに潜入し敵部隊を圧倒する獠だったが、香を盾にした人質作戦によって銃を置くことになってしまった。
勝利を確信し「すばらしい自己犠牲愛だよ!」と言うクロイツ将軍。だが、獠は「おれは愛する者のために何がなんでも生きのびる!! それがおれの愛し方だ!!」と言い、背中に隠していたロケットランチャーを構えた。
それに対し香も「あたしの命であんたの命が助かるなら本望よっ!!」と、ロケット弾を撃つように応える。そして発射されたロケット弾は香ごと爆発!……と思われたが、あらかじめ炸薬と信管が抜かれておりロケット弾は不発。しかしそれに虚を突かれた敵部隊は、獠によってあっという間に制圧されるのだった。
事件解決後、先ほどの獠の愛の告白に「このまま死んでいいって思うくらい…うれしかった!!」と抱きつく香。そしてそれに「死なせやしないよ…」と返した言葉も、“シティーハンター”である獠が言うからこそカッコよく、そして意味深いものに感じられた。
ジャンプヒーローたちの意外な告白シーン。いずれもその作品のなかで忘れられない瞬間となっていた。
悟空の天真爛漫な結婚宣言、幽助のさりげない優しさが見える一言、そして命をかけた獠の愛の告白……。これらのシーンは、ヒーローたちの新たな一面が見られ、読者の心に深く刻まれたことだろう。
今後もジャンプ作品でどんな意外な名告白シーンが飛び出すのか、楽しみだ。