一人旅、転職制限・禁止、低レベルクリア…『ドラゴンクエスト3』過酷さがたまらない「縛りプレイ」の思い出の画像
『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』公式サイトより  (C)1988, 2019 ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SPIKE CHUNSOFT/SQUARE ENIX All Rights Reserved. (C)SUGIYAMA KOBO

 ようやくプレイできる日がそこまで来た。HD‐2D版『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』の11月14日の発売日を、心待ちにしているファンは多いのではないだろうか。

 1988年にファミリーコンピュータ用ソフトとして発売されて以来、スーパーファミコン版でのリメイクをはじめ、さまざまなハードに移植され、幅広い世代に愛されてきた同作。シリーズ初となる転職システムを採用したタイトルで、何度も何度も冒険に繰り出したくなる魅力があるが、中には通常プレイではなくバトルを難しくする“制限”をつける「縛りプレイ」に挑戦したという人もいるはず。

 今回はそんな縛りプレイに挑んだプレイヤーたちの戦略や苦労、そしてその魅力に迫る。

■ご褒美がもらえる孤独な「一人旅」

 RPGにおける縛りプレイの中でも、特に難易度が高いとされるのが「一人旅」だ。

 前述したように『ドラクエ3』は転職システムを採用したタイトルで、冒険の最初に勇者は王様から「ルイーダの酒場で仲間を集めるように」と助言を受け、戦士や武闘家、魔法使いや僧侶や遊び人といった仲間たちと4人で街を出る。その組み合わせ次第で戦い方が変わる悩ましくも楽しい要素だが、「一人旅」ではそれをあえて無視し、酒場に顔を出さずに孤独に冒険に出かける。

 もちろん、これは非常に困難な挑戦であり、すべての攻撃や回復を勇者一人でこなさなければならない。敵の猛攻を一人で受け止めなければならず、毒にかかってもキアリーは唱えられない。特にボスとの戦いでは、少しのミスが致命的な結果を招くことも。そのため、戦闘ごとに緻密な戦略が求められ、プレイヤーのスキルや判断力が試される。

 ただ、『ドラクエ3』では、敵を倒したときに得られる経験値がパーティの人数で分けられるため、勇者ひとりが経験値を独り占めできるメリットがある。それでもレベルアップによる強化だけでは補いきれないところがあり、やはりボス戦や中盤以降のダンジョンでは、耐久力や火力が求められ、敵の数に押されたり、敵の火力に押し切られることも少なくない。

 一人旅には大きなリスクを伴う反面、特別な報酬が用意されている。リメイク版では勇者ひとりで魔王バラモスを討伐する偉業を達成することで、アリアハン王から「バスタードソード」が褒美として授けられる。入手時期が遅いため、実用度は微妙なところだが、一人旅を成功させたことを王直々に祝ってもらえるという、その達成感は計り知れない。

■アイテム・装備制限、職業縛り・転職禁止

 縛りプレイにおいて、特に挑戦的なものとしてアイテムや装備品の制限がある。中でも、「初期装備でクリア」といった縛りはよくあるものだ。

『ドラクエ3』における勇者の初期装備は「どうのつるぎ」と「たびびとのふく」のみ。裸一貫と言わないまでも、ほぼないに等しい装備で進むことは、想像以上に難易度を引き上げる。ほぼ不可能と言っても間違いない縛りプレイだろう。

 さらに、『ドラクエ3』ならではのものとして「職業縛り」がある。職業制を採用している『ドラクエ3』では、特定の職業に限定することで、通常のプレイでは得られるさまざまな戦略的なメリットを失う。

 特に「勇者以外遊び人パーティ」という縛りプレイは過酷で、戦闘ではイライラとヒヤヒヤする状況が続くことになる。遊び人は、ステータスは低く、さらに戦闘中に余計な行動を勝手に取ってしまうため、この縛りは非常にチャレンジングだ。

 また、「転職禁止」も非常に難易度が高い縛りだ。『ドラクエ3』では、職業を変えることでさまざまな呪文を身につけることができるが、転職を禁止することで、最初に選んだ職業に依存することになる。最初に仲間にする職業がゲーム全体の進行に大きく影響するため、緻密な育成計画と戦略が求められる。転職の自由がない中でどのようにプレイを進めるかが、プレイヤーの腕の見せ所となる。

  1. 1
  2. 2
  3. 3