■各時代の担当者だけが知る「カンヅメ」

 チョコボールのプレゼントは、1967年に豆本が封入されていたという「まんがのカンヅメ」からスタート。2年後の1969年に「おもちゃのカンヅメ」にリニューアルし、現在までに55種類のカンヅメが作られてきた。

 貯金箱型、タイムカプセル型、本型に黄金ボディのキョロ缶などなど、公式サイトを見るとこれまで作られてきたおもちゃのカンヅメがズラリと並ぶ。

 どのようなデザインにするか、カンヅメの中にどんなおもちゃを入れるかは前述のようにトップシークレットで、各時代のカンヅメ担当者ひとりに委ねられている。今回話を聞かせてくれた中野さんは、2024年4月から、まさにその”ヒミツを握っている”夢の番人とも言える人物で、「子どもたちに楽しんでもらえるものを考えていきたい」と語る。

 直近では、おもちゃのカンヅメは2024年2月にリニューアル。ハンドルを回すことでおもちゃのカプセルが出てくる「キョロガチャ缶」が最新版だ。こちらは前任者の作ったもので、中野さんは次の世代の「おもちゃのカンヅメ」をこれから作っていくという。

「発売当初から続けている57年間の歴史を継続する責任を感じています。その一方で、今の時代の子どもたちに合ったものをと、どんなカンヅメにしようか考えるのはとても楽しいですね。

 私の個人的に好きなものは、2015年から贈られた『開かずのカンヅメ』。これはパッケージに“ワルキョロちゃん”が描かれた、開け口がどこにあるのか分からないチョコボール『開かずのチョコボール』とリンクしたカンヅメで、実際に開けようとしても謎解きが本当に難しい遊び心のたっぷり詰まったものでした。ネットでも“どうやって開けるの!?”と大きな話題になったカンヅメだったので、こうした仕掛けでも子どもたちをワクワクさせていきたいです」

 金のエンゼルはもちろん、銀のエンゼルもなかなか当たらないチョコボール。簡単には手に入らない「おもちゃのカンヅメ」だからこそ、プレゼントが贈られてきたときのワクワクも膨らむもの。いつかはその実物を目にしてみたいものだ。

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