■素晴らしいグラフィックに感動すらした『メタルスレイダーグローリー』
最後は1991年8月にハル研究所から発売された『メタルスレイダーグローリー』だ。当時はすでにスーパーファミコンが発売されていたのだが、まだまだファミコンで遊んでいたものである。
筆者は本作を友人の家で遊ばせてもらったのだが、ファミコンとは思えないほどのキレイなグラフィックを誇るアドベンチャーゲームで、とても驚いたし感動した。キャラの表情や仕草も見事に表現しており、エリナとキャティでどっちが可愛いか友人と激論したのはいい思い出である(どっちも可愛いのだが)。
それにしてもこのタイトルは難しかった。本作は2062年を舞台としており、近未来のメカが登場するのだが、それこそが「メタルスレイダー」と呼ばれる戦闘マシンなのだ。グローリーとはその中でも高性能のマシンであり、トップクラスの実力を誇る。
う~む、こんなのきちんと教えてもらうまで分かる訳ない。ただ、ゲームは面白く、自分でも買おうか迷ったほどだった。
本作の影響で、当時中学生だった友人は「環境問題で太陽エネルギーや水素エンジンが将来主流になる」と力説していた。ただ、それらのエネルギーではパワー不足になるので、月に研究機関を設けて新しい技術を開発するといい、「それがメタルスレイダー!」などと付け加えていた。何者だキミは……。
それにしても、水素エンジンを搭載した自動車なんて当時はまだ開発・試作段階だったろうし、京都議定書だってまだ数年先。90年代に入ったばかりの頃に、このエネルギー問題をゲームに取り入れるなんて、開発チームの人たちには驚かされるばかりだ。
ファミコンには他にもタイトルが主人公たちのネーミングなのか分からないゲームがあったものだ。初期の名作である『ゼビウス』は敵軍の名前で、『ドルアーガの塔』もラスボスにちなんだ名前である。意外とたくさんあるので、あらためて振り返ってみると面白いかもしれない。