■なつみをとりまく個性的なキャラも魅力たっぷり
同作はなつみとみらいちゃんだけでなく、彼女らの周囲のキャラクターも魅力的。クラスの友だち関係や喧嘩友だちとの恋模様も描かれているが、中でも大人の視聴者にウケていたのが漫画家志望である、なつみの叔母のいづみだろう。
彼女はなつみの家に居候し、みらいちゃんが未来から来たという事情も知っており、対外的にはみらいちゃんの母親ということになっている。好きな食べ物はカップ麺にスナック菓子、ビールというだらしなさと大雑把さを兼ね備えた性格で、家事能力ゼロの漫画家アシスタント。もちろん独身だ。
親しみのわく大人枠という意味では、『新世紀エヴァンゲリオン』のミサトにも近いかもしれない。また特技がメガトンパンチだったりと、物語の開始当初は“強い”女性のイメージもあった。担当声優も伊倉一寿(現:伊倉一恵)さんということで、彼女を見て『シティハンター』の槇村香を想起した人も多いだろう。
いづみははじめ、犬と赤ん坊が嫌いで、なつみたちに大人気ない意地悪をしたこともあった。しかし、次第に優しい叔母になっていく。
なつみが彼女を「おばさん」と呼んでいることもあって、母親くらいの年齢の「大人のお姉さん」という印象だったが、実は彼女はまだ20歳。さまざまな属性を持つ、大人のアニメファンに好かれそうなキャラである。
■間違いなく「神アニメ」
同作はサンライズのアニメとしては間違いなく異色だったが、老若男女問わずにハマれる名作だったといっても過言ではないだろう。
メインターゲット層である少女向けにはみらいちゃんの人形やコンパクトなど、90年代らしいおもちゃも多く発売されていた。その一方、少女向け作品の枠にはとどまらず、サンライズのロボットアニメを期待していた男子でも、つい毎週見てしまうほどの魅力があった。
なお、同作は『ガンダム』の富野由悠季さんがオープニングの一部絵コンテを切ったことでも知られている。そういった意味でも、大人が見ても子どもが見ても楽しめる意欲作だったといえるだろう。