■クレイおすすめの「マクラ」をベルが……!?

――おふたりで相談したシーンもあったんですね。

鈴代 ダンジョンの管理人というのは、不動産の管理人みたいな感じなんですよね。ダンジョンの仕組みとか全体の構造を把握しなくてはならず、そういうところはひとりで台本を観ながら収録をしていても混乱しちゃいそうだったので、ポンさんに収録現場で泣きついてしまいました(笑)。収録の時にポンさんと「ここはどうなってるんだっけ?」と相談しながらやっていました。ほかにもたくさん助けてくださって。クレイがポンさんじゃなかったらどうしたんだろうって思うくらい……。感謝ばかりです!

千本木 私も同じです! 「クレイのこのセリフはどうかな?」と鈴代さんに相談しながら、すごく安心して収録ができました。ふたりの会話で進めていく作品だからこそ、ふたりで助け合いながら進んでいった感じがありましたね。

アニメ『ダンジョンの中のひと』 (C)双見酔/双葉社・製作委員会の中のひと

――おふたりの仲が深まった作品でもあったんですね。収録の合間には、役柄や作品以外のお話もしたんでしょうか?

鈴代 はい。あの……『ダンジョンの中のひと』とは全然関係ないんですけど……。私、収録の最中にポンさんにお勧めのマクラを聞いたんですよ!(笑)

千本木 そんなこともあったね。

鈴代 そのとき使っていたマクラが私の頭に合わなくて(笑)。

千本木 それで私が使っているマクラを教えたんです。頭だけじゃなくて、上半身まで届くマクラなんですけど。そうしたら、鈴代さんの行動力がハンパなくて、次の収録のときには購入していて。私が勧めたマクラが合えばいいなと思っていたんですけど……。

鈴代 今では、寝違えがおきない最高の目覚めを迎えています!

千本木 良かったー(笑)。声優としての芸歴は私が先輩なんです。最近は、後輩の女の子といっしょに収録することも増えてきたのですが、こうやっていろいろなお話ができるのはすごく嬉しいです。

――クレイとベルの共通点は「友だちが少ない」ことですが、おふたりはお友だちは多いほうですか?

千本木 友だちという定義が難しいので何ともいえないのですけど、少ない……と思います。いっしょにご飯に行く人はいますが、たとえばラフに「今から空いてるから、このあといっしょにご飯食べに行こうよ」と当日連絡できるような人はほぼいないですね。というか、まず、そうやって人を誘わないので……。

鈴代 私もそういう相手はめちゃくちゃ少なくなりましたね。以前は、良くも悪くも何も考えずにポンポンと自分から誘っていたんですけど、私が大人になるにつれ(笑)、いま誘ったら、この子は忙しくても無理して来てくれちゃうなとか、この子は休みたいだろうから声をかけていいのかなとか、いろいろ考えるようになってしまって……。自分からアクションしにくくなっちゃいましたね。フットワークが重くなっちゃったなって思います。

千本木 私はそもそも交流関係があまり広くないんですよ。昔から、広く浅くというよりも、深く狭く人付き合いをするほうで。人付き合いだけでなく、自分が好きなものに対しても、深く狭く好きになるタイプです。

鈴代 でも、ポンさんみたいに深く狭く好きなものがある人には憧れがありますね。私はけっこういろいろなものに興味があって、どんなことも一度やってみたいと思っちゃうタイプなので、あまり強いこだわりがないんですよね。

――『ダンジョンの中のひと』にはモンスターや探索者など個性的なキャラクターが登場します。おふたりが気になっているキャラクターは?

鈴代 新井里美さんが演じるビンキーですね。序盤にちょっと登場して、ゲストキャラ的な扱いのキャラクターなのかなと思ったら、そのあとも……。里美さんのお芝居がもう面白いというか、唯一無二なお芝居でした。ぜひ、視聴者の皆さんもビンキーを楽しみにしてほしいなって思います。

千本木 個人的に、クレイの師匠でもある父を大塚明夫さんが演じてくださっていて、第1話のときにふたりでいっしょに収録できたのがすごく嬉しかったです。実は私と大塚明夫さんは同じ誕生日なんです。しかも、第1話のアフレコの日は、ふたりの誕生日だったので、お互いに誕生日を祝うことができました。

――最後に現在、オンエア中の『ダンジョンの中のひと』をどのように楽しんでほしいと思いますか?

鈴代 『ダンジョンの中のひと』はみなさんが考えているファンタジー作品の常識が覆されるような内容になっているので、きっと新鮮に楽しんでいただけるんじゃないかと思っています。私が演じさせていただいているベルは、ダンジョンの管理人ということもあり、ダンジョンのモンスターたちをどんな気持ちで仕切っているのか。クレイという、新しい仲間と出会ったことでその仕事がどう変化していくのか。そういうベルの変化にも注目してほしいですね。あと、キャラクターもモンスターもめちゃめちゃかわいいので、肩の力を抜いてリラックスして作品を楽しんでください!

千本木 作品はすごくほんわかしていますが、いろいろな要素があります。気楽に楽しんで観ていただけたらと思っています。ぜひ、最終回までお付き合いいただけたら嬉しいです!

 

【プロフィール】
千本木彩花(せんぼんぎさやか)
埼玉県出身、11月24日生まれ。高校在学中にアニメ『帰宅部活動記録』九重クレア役で声優デビュー。代表作に『甲鉄城のカバネリ』無名役、『転生したらスライムだった件』シュナ役、『ダンジョン飯』マルシル役など。

【プロフィール】
鈴代紗弓(すずしろさゆみ)
神奈川県出身、2月4日生まれ。ゲーム『アルテイルクロニクル』で声優デビュー。代表作に、『ハイスコアガール』大野晶役、『荒野のコトブキ飛行隊』キリエ役、『ぼっち・ざ・ろっく!』伊地知虹夏役など。

★アニメ『ダンジョンの中のひと』は、TBS・MBS・BS-TBSほかにて好評放送中!

★アニメ『ダンジョンの中のひと』公式サイト https://dungeon-people.com/

(C)双見酔/双葉社・製作委員会の中のひと
  1. 1
  2. 2
  3. 3