■影響が大きかった「声優さんのラジオ」
――当時からアニメや漫画はお好きだったんですか？
鈴代 深夜帯に放送されている作品は大人になってからなのですが、幼少期もアニメは普通に観ていましたし、漫画は友達との貸し借りをしたり、そこからハマってアニメを観るという流れも多かったです。また中学生の頃にたまたま聴いて面白いと思ったラジオがあったのですが、それが声優さんのラジオだったんですよ。
――そこが原点だったんですね。
鈴代 声優さんってラジオもやるんだなーと。いろいろな活動ができる職業なんだと知るきっかけになりました。そうしているうちに、エンタメの世界に入ってみたいと考え始めるようになって。私もお芝居をしてみたいなと思って、一番親近感があった、声優さんの道に進んだんです。ラジオの影響も大きかったかもしれませんね。
――声優のお仕事に就かれて、これまでに転機はありましたか？
鈴代 そうですね……転機とは少し違いますが、実際に声優という職業は思っていた以上に大変なことや、しんどいこともたくさんあるなって、そう感じることも正直あるんです。でも、収録をしていると、３年に一度くらい、完全に役に憑依できるときがあって。そういう経験をすると、やっぱりこの職業じゃなければ味わえない感覚だなって思います。
ほかの仕事では味わえないような充実感というか、その１回がこれまでの苦労をフッ飛ばしてくれるというか。それが私の中で声優という仕事を続ける刺激のひとつになっています。その回数を増やしていけたらとも思ってますね。
――完全に役に憑依できる瞬間。そんなことが収録をしていると起きるんですね。
鈴代 私は声優の仕事をはじめて今７年目なんですけど、これまでに１回、いや２回あったかなというぐらいで、本当にめったにないことなんです。どうしてそうなるのかは具体的にわからないんですけど、感覚が研ぎ澄まされるような瞬間でしたね。
【プロフィール】
鈴代紗弓（すずしろさゆみ）
神奈川県出身、２月４日生まれ。ゲーム『アルテイルクロニクル』で声優デビュー。代表作に、『ハイスコアガール』大野晶役、『荒野のコトブキ飛行隊』キリエ役、『ぼっち・ざ・ろっく！』伊地知虹夏役など。
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