アニメ『ダンジョンの中のひと』声優・鈴代紗弓インタビュー「私が声優という仕事を続ける理由」の画像
鈴代紗弓さん

 現在、絶賛オンエア中のアニメ『ダンジョンの中のひと』(TBSほか)。地下迷宮「アントムルグのダンジョン」の管理人・ベルと探索者のクレイがともに力を合わせて、腕に覚えのある探索者が次々とやってくる「ダンジョン」の運営をするというお仕事ファンタジーだ。

 その劇中でベル役を演じる鈴代紗弓さんは『ハイスコアガール』や『ぼっち・ざ・ろっく!』などの作品で活躍する人気声優。はたして彼女の演技にはどんなルーツがあるのか? 鈴代さんの原点や転機について聞いた。

 

――『ダンジョンの中のひと』に登場するクレイは、幼いころから父親に鍛えられた技術を活かして、ダンジョンに乗り込んできます。彼女のように、鈴代さんが両親から受け継いだものはありますか?

鈴代 私は小さいころから習い事をたくさんやっていたんです。幼稚園に通っていたときは、水泳、そろばん、ピアノ、体操……みたいにほぼ毎日何かをやっていて、両親がいろいろと経験させてくれていました。直接繋がってはいないかもしれませんが、様々な経験が、今の“声優”という仕事に活きていると思います。まさに「経験は糧になる」という感じですね。両親に感謝です!

――たくさんの習い事をやっていたんですね。ご自身の中で今のお仕事に役立っているなと感じる経験はどんなことですか?

鈴代 特に具体的に役に立ったなと思うのは、高校のころの部活動ですね。本当に大変で、正直何度も辞めたいって思っていたんですが(笑)、最後まで辞めなかった。大変でしたけど、それが自分にとっては良かったなと思いましたね。

――部活動! どんな部活動をされていたのでしょうか。

鈴代 中学生のころはバドミントンで、高校生のころはチアをやっていたんです。どちらもめちゃくちゃ身体を鍛えるんですよ。最初はもうちょっと楽しくできると思っていたんですけど、実際入部してみたら、かなりガッツリとトレーニングをすることになって。本当に何度もくじけかけました(笑)。

 でも、引退までやれたことで、全部がいい思い出になったなと思います。もちろん、辞めたら辞めたできっと別の道もあったと思うので、辞めることを否定するわけではないんですけど、自分にとっては“どんなにしんどくても続ける力”というのが現在に活きていると感じることはありますね。

――鈴代さんにとって、自分の原点となるエンタメ体験はどんなものですか?

鈴代 私は休みの日は外へ遊びに行くことが多くて、家で遊ぶことはあまりなかったんです。でも、磁石で絵を描ける玩具が大好きで、家ではずっとその玩具で遊んでいました(笑)。あと、ゲーム機をみんな持っていたので、私もずっとゲーム機が欲しかったんです。でも、うちではなかなか買ってもらえなくて……。

 ただ、あるとき、サプライズで親がニンテンドーDSをプレゼントしてくれたんですよ。それをもらって嬉しすぎて、レストランで号泣してしまったという(笑)。泣きながら『スーパーマリオ』をプレイしまくっていました。そのあとはWiiを手に入れて、いろいろ遊んでいましたね。

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