漫画の実写化は、キャラクターをどれだけリアルに再現できるかが鍵となる。そのなかでも、俳優たちのビジュアルは重要な要素だろう。
役に挑む俳優たちは原作のイメージに寄せるため、過酷なトレーニングを積み重ね、鍛え上げられた体を作中で披露している。そこで今回は、実写化作品で肉体美が光っていた俳優たちを厳選して紹介していきたい。彼らはどのような思いでそれぞれの役に挑んでいたのだろうか。
■20キロ近く増量し大将軍を熱演『キングダム』大沢たかお
実写映画『キングダム』シリーズに王騎役で出演した大沢たかおさんも、役作りのための肉体改造が話題となった。
原作は、原泰久さんの大人気漫画『キングダム』。本作には魅力的なキャラが数多く登場するが、なかでも大沢たかおさんが演じた王騎はひと際目立つキャラである。
中華にその名をとどろかせる秦国六大将軍の一人で、最高の武力に知略、さらにカリスマ性も持ち、ファンの間でも非常に人気が高い。
どちらかというとスリムな印象がある大沢さんだが、王騎を演じるため、過酷なトレーニングを経て20キロ近く増量。原作ファンも納得せざるを得ないほどの肉体改造をおこない、撮影に挑んだという。そして、4部作最後となる現在公開中の『キングダム 大将軍の帰還』は、その集大成となるような作品となった。
吉川晃司さん演じる龐煖との戦いは迫力満点で、原作でも有名なぶつかり合う2本の矛が大きくしなる印象的なシーンもしっかりと再現されている。あまりに現実離れし過ぎているこのシーン、実写だと見ようによってはギャグにもなってしまいそうだが、これも大沢さんの鍛えられた大きな肉体があったからこそ成立したシーンに感じる。
■敵施設ど真ん中、全裸で登場!? 『亜人』綾野剛
2017年公開の『亜人』では、綾野剛さんが作中屈指の実力者・佐藤を演じ、強キャラ感たっぷりの肉体美を見せた。
本作は桜井画門さんの人気漫画が原作で、死なない未知の新生物“亜人”をめぐり壮絶なドラマが展開される。原作の漫画では、佐藤は初老の男性だったが、綾野さんが演じるにともない、壮年の男性へと設定変更された。原作の渋い佐藤も好きだが、実写のカッコ良い佐藤も非常に良いキャラだったように思う。
クライマックスで佐藤は「絶命すると最も大きな肉片から再生する」という亜人の特性を生かし、敵施設のど真ん中で「やぁ来ちゃった」と再生。次の瞬間、銃で周りにいた警備の黒服たちを銃で瞬殺する。
この強キャラ感たっぷりのシーンで、鍛え上げられた肉体を披露した綾野さん。撮影当初は肌色のトランクスを履いていたらしいのだが「そのせいで映る範囲を決めてしまうのもイヤだな」と思い、なんとトランクスも脱いで撮影に挑んだそうだ。そのおかげもあり(!?)、一瞬とはいえ絶妙なアングルで引き締まったお尻も見えている。
残念ながら次のカットでは、すぐにミリタリーな衣装とトレードマークのソフト帽を身につけてしまったが、もう少し綾野さんの肉体美を生かした戦闘をもっと見たかったと思った次第だ。