■標高5000メートルの極寒の地に住んでいた名医
偉大なる航路の前半の島にあるサクラ王国(旧ドラム王国)に暮らす医師「Dr.くれは」といえば、懐かしさを感じる読者も多いかもしれない。
初登場は単行本15巻に収録された第134話で、ルフィたち麦わらの一味とチョッパーが出会ったドラム王国編のことだ。
そんな彼女が住んでいるサクラ王国は「冬島」とも呼ばれる寒冷な気候の土地であり、標高5000メートルの山「ドラムロッキー」 の頂上に城が建っている。かつて黒ひげ海賊団の襲撃により、もぬけの殻となった「ドラム城」に移り住んだのがDr.くれはである。
ドラム城は、くれはの腐れ縁だったDr.ヒルルクが最期を迎えた場所であり、墓代わりにしたと語っていた。しかし、ただでさえ寒さの厳しい冬島の、標高5000メートルにある城に住んだのは、別の意図も隠されている可能性もありうる。
なぜなら、海賊王ロジャーとDr.くれははドラム島で接触していることが『ワンピース・マガジン vol.7』で明かされているためだ。
前述した通り、海賊王ロジャーは「ラフテル」にたどり着き、「世界の真実」を知った。そのロジャーとくれはが接触したのはラフテルに到達する前の話だが、ふたりが旧知の間柄であれば「世界は海に沈む」という事実を聞かされたとしても不思議はない。だからこそ、標高5000メートルの山頂の城に移り住んだ、とは考えられないだろうか。
ベガパンクによる「世界は海に沈む」という衝撃的な放送を受け、各キャラクターたちはさまざまな反応を示した。こうした新事実を知ってから過去のエピソードを読み返すと、不可解に思えた行動にも必然性があったのでは……と気になってしまう。
ベガパンクの言葉通り、世界は本当に海に沈むのか。そして、その真実を知っていた人物がどれだけいるのか、これからの展開から目が離せない。