舘ひろし・柴田恭兵主演の『あぶない刑事』がリメイクされ、5月より劇場版『帰ってきた あぶない刑事』が公開されているそうだ。
平成生まれでドラマが放映されていた当時は生まれてもいない私は、「なぜ令和のこの時代に『あぶない刑事』……?」と正直首をひねってしまう。しかしながら、XなどのSNSを見ると、往年のファンはもちろん、私と同世代の女子たちが「タカ&ユージ」に熱狂している投稿を目にしたりする。『あぶない刑事』には女子を熱くする“なにか”があるらしい。
というわけで、新作映画を見る前に、下調べとして劇場版1作目『あぶない刑事』(1986年)、2作目『またまたあぶない刑事』(1987年)を視聴してみた。すると、私もまんまと「あぶ刑事」に、戸惑いつつも引き込まれてしまうハメに。「なんでもっと早く教えてくれなかったんだよ~!」とすら感じてしまったのだ。
■バディ感が尊すぎ! タカ&ユージのノリに感じる「バブル」感
前提として、私の『あぶない刑事』の基礎知識は以下の通り。若かりし頃の舘ひろしと柴田恭平が主演の刑事もので、二人はバディ。若い時の舘ひろしと柴田恭兵はめちゃくちゃ格好よくて、足が長くてスーツが似合う。以上。
不勉強ゆえに有名なシーンやセリフすらも知らない。そしてさらに言うと、昭和の刑事ドラマのイメージは「ハードボイルド」だという先入観があった。『あぶない刑事』も重厚で血なまぐさいストーリーなんだろうな……と思っていて、「やわな私でも馴染めるでしょうか」と危惧していた。
しかし、実際に見てびっくり。非常にポップでギャグテイスト。昭和ドラマになじみのない私でも、思わずくすりとしてしまうポップなシーンが多いのでサクサク視聴できた。これが「バブル期」のノリなんですか?
タカ(舘ひろし)もユージ(柴田恭平)も美女に弱くて、有能なんだけど、わりとドジなところがキュートで親しみやすい。スーツが似合う「イケオジ」とのギャップに、まさに「沼」にハマるのを感じる……。
個人的な「タカ&ユージの愛すべきポイント」の例を挙げるとすれば、劇場版1作目『あぶない刑事』では、冒頭から人質を取った犯人に脅されて、二人でお互いに手錠をかけさせられてしまう。あげくの果てには、至近距離で顔を見合わせてのんきに「照れちゃうぜ」なんてユニゾンしていたら、犯人を取り逃がす始末で、その後タンゴの要領で警察署まで帰還。
タンゴの最後には、タカがユージにキスして終わるという大サービスぶり。このバディ、ノリが良すぎて尊い……! そして向かい合わせになると分かる、タカとユージのスタイルのよさも必見。足がたぶん3メートルくらいある。長すぎ。
あと思っていた100倍、バディ感が強い。タカとユージがいつも連れ立って行動している。バディものなので一緒にいるのは当たり前……と思うだろうが、マジでどのカットでも一緒にいる。ほとんど単独行動なし。二人で楽しそうに軽口を言い合っていて、「可愛い~~!」となってしまう。
ガンアクションのシーンでは目線やジェスチャーだけでお互いの考えていることを把握して、完璧に息をあわせて動くのも、バディもの好き女にとっては萌えポイント。
ユージが先走ったせいでタカが腹に銃弾を受けてしまった日にはユージがぼろ泣き。「すまねえ……(目頭を押さえる)」なんてもんじゃなく、「だめだよタカ……、二人で一人だよ……悪かったなタカ…」と号泣。バディものの作品はいつの時代も人気だが、こんなに仲良しなバディは珍しいのではないか。令和の今、この仲良し感を出すと「やりすぎ」「狙いすぎ」と突っ込まれそうだ。
ちなみに、ガンアクションが発生すると必ずと言っていいほど併発する爆破シーンは、時代的にCG不使用だろうが、建物一個をふっ飛ばしてしまうほど豪快。まだテレビドラマ業界の予算が潤沢だった栄華を感じて、非常に爽快です。