「フリーザ編」に「人造人間・セル編」も…最後の展開は絶叫続き!? 令和の女子大生が初めて『ドラゴンボール』を読んだ「感想まとめ」の画像
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 筆者の19歳の娘は、普段はスマホに夢中でまったく漫画を読まない。しかし鳥山明さんの訃報をきっかけに『ドラゴンボール』を読みたいと言い出し、今回『ドラゴンボール 完全版』を読破した。

 令和の女子大生が『ドラゴンボール』に持った感想は、昭和生まれの筆者にとってなかなか面白いものだった。今回は、最終巻まで読み終えた娘の感想を紹介したい。

■すっかりハマった『ドラゴンボール』、「フリーザ編」では4回絶叫

  ほのぼのとした冒険が続く『ドラゴンボール』の1巻時点では、あまりハマらなかった娘。しかし、天下一武道会を経て「フリーザ編」に突入すると、寝食を忘れ作品に没頭していくようになる。この行動は、当時『週刊少年ジャンプ』(集英社)を読んでいた昭和生まれの読者とあまり変わらないだろう。

 さて、「フリーザ編」では、とにかく叫んでいた娘。まず、読むたびに好きになったピッコロがネイルと融合したのち、風のごとく悟飯の前に現れて「待たせたな…」というシーンでは「カッコいい!!」と絶叫。

 その後、本命の推しであるクリリンがフリーザに木っ端みじんにされたときには「ああああ! もう生き返れないのに!!」と叫び、ショックを受けた挙げ句、何度目かの「もう読まない……」宣言をする(しかし作品の誘惑に負けてすぐ読み始める)。

 そしてついに悟空がスーパーサイヤ人になったシーンでは「うわあ! 」と、感嘆の叫びをあげ、倒されたはずのフリーザが親子で地球に来襲するシーンでも「またこのバトルが続くの!?」と、驚いていた。

「フリーザ編」全体の感想を聞くと、“簡単に勝たせてくれないのが『ドラゴンボール』。悟空は強いのに、相手がさらに上回って来るのがめちゃめちゃ面白い”とのこと。

 ちなみに、完全版22巻の表紙絵には、スーパーサイヤ人となった悟空がアップで登場している。それを見て“覚醒がネタバレしてしまう!”と焦った筆者だが、娘はそれを髪を染めたベジータか、まったく違うキャラだと思い「スーパーサイヤ人=悟空」とはまったく想像できなかったそうだ。

■一番面白かったのは「人造人間・セル編」、ベジータの結婚に持論あり

『ドラゴンボール』を読破した娘が一番面白いと言ったのは、「人造人間・セル編」だった。やはり悟飯が主役となって覚醒したこと、父子のパワーによってやっつけたシーンにぐっときたらしい。

 そんな迫力あるバトルシーンも魅力であったが、ベジータとブルマがカップルとなったことには興奮して持論を語るほどだった。

「この2人は事実婚というのが良い。ベジータなんて仕事も子育てもしない男で自分なら絶対嫌だけど、経済力があって男好きのブルマならきっとこういう男がピッタリ。事実婚という観点では、鳥山さんは先見の明がある人だよね」とのこと。なるほど、ジェンダー教育の進む令和っ子にとって、このカップルは見習うべき姿があるのかもしれない。

 そして、もっとも爆笑していたシーンも……。それは悟空がセルの自爆を地球から引き離すべく、界王さまがいる界王星へテレポートした場面だ。

「地球人の運命が……というシリアスな場面なのに、『わりい 界王さま ここしかなかったんだ…』って爆発寸前のセルを連れてきちゃって。バブルスくんも一緒に犠牲にしちゃうなんて、もう面白過ぎる!』と、熱く語っていた。

 たしかに『ドラゴンボール』は、真面目なバトルの合間にもちょいちょいギャグを挟んでいる。その緩急があるからこそ、読者は鳥山作品により惹きつけられてしまうのだろう。

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