■ロジャーの宿敵「ロックス・D・ジーベック」

『ワンピース』で詳細が明かされていない大人物のなかで、読者がもっとも気になるひとりが「ロックス・D・ジーベック」ではないだろうか。

“海賊王”ゴールド・ロジャーの最大の宿敵であり、ロジャーが名を轟かせる前は「世界最強の海賊団」と呼ばれていたロックス海賊団の船長をつとめた男だ。

 約40年前、ひとつの儲け話のために集まった海賊を束ね、「世界の王」になるという野望を掲げたロックス。世界政府にとって都合が悪い禁忌(タブー)に触れすぎたことから、さまざまな事件がもみ消される事態となった。

 しかもロックスの海賊団に所属していた人物には、前述した王直をはじめ、「白ひげ」「金獅子のシキ」「ビッグ・マム」「カイドウ」「キャプテン・ジョン」など、のちの大海賊ばかり。オールスターのような顔ぶれを率いたというだけで、いかにすごい人物なのかが分かるだろう。

 さらにワノ国編にて、四皇のカイドウがルフィと対峙した際、自分と対等に戦える人物として挙げた、「ロジャー」「白ひげ」「シャンクス」といったそうそうたるメンバーのなかに、ロックスらしきシルエットも確認できた。

 ロックスについて、元海軍元帥のセンゴクは「すでにこの世にはおらん」と語ったが、ガープとロジャーが手を組んでロックス海賊団と戦った「ゴッドバレー事件」に関する詳細な顛末などは、いまだ明かされていない。世界の覇権に手が届きそうだった大海賊ロックスのことが分かる日は、いつ訪れるのだろうか。

 今回紹介したキャラクターたちは、現在の生死にかかわらず、はっきりと姿が描かれていなかったり、名前しか登場していなかったりする。物語がクライマックスへと向かうなかで、いずれ彼らの詳細も明らかになるに違いない。

 そして世界の大きな謎や、「ひとつなぎの大秘宝」へとつながる重要人物たちが、どのように描かれるのか、今後の展開から目が離せない。

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