■連邦最大の見せ場?「バイアラン・カスタム」
『ガンダムUC』の劇中では、旧ジオンの機体の活躍が目立ったが、連邦サイドの「バイアラン・カスタム」の活躍は見逃せない。
同機のベースとなったバイアランといえば、グリプス戦役時のティターンズの機体だ。非変形機でありながら単独飛行を可能とした機体で、バイアラン・カスタムは欠点だった継続飛行時間の延長を実現した機体である。
カスタム機とはいえ、0096年の最新技術が用いられたわけではないが、得意の空中戦で無双した場面は注目すべきポイントだ。
ジオン残党軍に蹂躙されつつあったトリントン基地の防衛に出たバイアラン・カスタムは、空中でロックオンした機体にメガ粒子砲で攻撃。数に勝る残党軍機を次々撃墜していき、ジオン側に傾いていた戦線を均衡させていった。
その後、悠々と飛行して残党軍の目を引きつけると、得意の空中戦に持ち込んでサーベルで斬り刻んでいく。しかし、マラサイのウミヘビにとらえられ、さらに上空からカークスが駆るザクI・スナイパータイプの狙撃が直撃。背部スラスターを損傷して墜落しながらも、マラサイを撃墜した。この戦闘シーンは、どちらも元ティターンズの機体というニクイ演出が光った。
『機動戦士ガンダムUC』は、ユニコーンガンダムの活躍が主体と思われがちだが、実は旧式の機体やマイナー機体の描写が目立つ作品でもある。今回紹介したのも、ほんの一部であり、映像作品初登場のガンキャノン・ディテクターがいたり、1機しか開発されていないはずのリ・ガズィがラー・カイラムに配備されていたりと、宇宙世紀のガンダム作品を知っているほど、細かい描写が楽しめる。
もし「同作は未視聴」というガンダム好きがいたら、ぜひ夏季休暇にでも『機動戦士ガンダムUC』をチェックしてみてほしい。