■コワすぎた噂話が起こした顛末
最後は、当時からコワすぎると話題になっていた「さっちゃんのうわさ」。
「学校でさっちゃんのうわさを聞いた人は、夜中にさっちゃんがやってきて鎌で手足を切られ殺される」「殺されないためにはバナナの絵を枕元に置いておけばいい」という話をクラスメイトにした主人公の少女は、自分で話をしたにもかかわらずそのまま寝てしまう。
すると夜、本当に鎌を持ったさっちゃんが壁をすり抜けてやってくる。金縛りにあい、いよいよ絶体絶命のピンチというところで、実は少女のお母さんが夜食用にバナナを用意してくれており、それを見たさっちゃんは苦しみながら退散する。
なんとか事なきを得た、と視聴者が感じたその後。翌日主人公らが学校に行くと、教頭から、担任が鎌で手足を切られて謎の死を遂げたと告げられる。そう、先生はみんなの噂話を廊下で偶然聞いてしまっていたのだ……。
この話も本編には花子さんは登場せず、事の顛末を語るだけ。助けてくれなかった花子さんに絶望を感じたものだ。もし今夜、自分の家にさっちゃんが来たらどうしようと、震えて眠った思い出がある人もいるだろう。
このほかにも同アニメには印象に残っている話がいくつもある。「犬マスクの口裂け女」「人面魚の釣れる湖」など、都市伝説をモチーフにした話もあり、この番組で知った都市伝説も少なくない。
最近ではめっきり子ども向けのホラー番組は減ってしまったが、『学校のコワイうわさ 花子さんがきた!!』で育ってきた世代の人には、無意識に怖い話へのトラウマが染みついているのではないだろうか。