■『島耕作』×佐賀県…課長でも取締役でもなく「副知事島耕作」
働くサラリーマンのバイブルとして愛され続ける『島耕作』シリーズ(弘兼憲史さん)も、公共機関とのコラボ経験がある。今回紹介したいのは2023年に始まった佐賀県とのコラボで、なんと主人公の島耕作が「佐賀県副知事」に任命される企画だ。
副知事となった島は佐賀県の情報発信を担当し、スポーツビジネスや半導体産業といった佐賀県の魅力をアピールする漫画や展示を展開していく…という設定。
佐賀県はこのコラボについて「日本で最も有名なビジネスパーソンの一人である島耕作の知見を県政に活かしてほしい」といった旨のコメントを出しており、まるで実在の人物かのような扱いだ。
課長や取締役など多くの役職を経験してきた島耕作に「副知事」という新たな役職を増やしてしまうのがなんともユニークだろう。
ちなみに島耕作の出身地は佐賀県……ではなく、山口県岩国市なのでお間違えのないように。
人気のアニメや漫画が国や地方自治体とコラボする例は少なくない。だが、なかにはポスターや看板のデザインに起用される例もあり、ファンから見ると「これってコラボする意味ある?」と考えてしまうこともしばしばだ。
だが、今回紹介してきたコラボのように、作品の強みを存分に活かした企画もある。「この作品だからこそ!」と思えるようなコラボが発する熱は、本来の目的である広報にも大いに貢献するだろう。
今後も「この作品だからこそ!」と言いたくなる、ポップカルチャー×政府コラボを見たいものだ。