■毎度登場するクセつよなオリジナル敵たち

『らんま』では、乱馬がひょんなことから変わった格闘術を使うキャラと戦うという展開が描かれることが多い。

 乱馬らの前に立ちはだかるキャラにはアニメオリジナルのキャラも多く、例えば慈恵院宗達(じけいいん そうたつ)はクセが強いキャラだった。

 彼は「永」という字を書ききるまでに相手を倒すことで勝ちとする格闘書道の家元。クールな顔立ちだが一度笑うと周りが引くほど表情が崩れる、字の汚い人とは戦わないなど、とてもこだわった設定がある。かなり個性的だが、アニメではほとんど“一発屋”的キャラだった。そもそも「永」という字を書ききるまでに相手を倒す、という設定が奇抜すぎたのかもしれない。

 また、アニメオリジナルキャラの中ではヒロイン候補(?)になりそうだったキャラもいる。

 大黒かおりという女性キャラは、あかねや久遠寺右京と同じような理由で、父親の玄馬が自分の都合のために勝手に決めた乱馬の許嫁。

 七福神大黒流出前格闘術の達人で、あかねとは乱馬を巡って「ミス格闘出前レース」で戦い、ナルトや麺などを武器にして攻撃をした。これらの技は、原作ではシャンプーが使っているものだ。

 パッツンの前髪にクールな顔立ち、ポジション的には右京と似ていることもあって(声優も右京と同じく鶴ひろみさんが務めていた)、彼女はもしかするとヒロイン枠へ昇格する可能性もあったのかもしれない。

 このほかにも、「熱闘編」は特にオリジナルエピソードが多いため、1話のみの敵ゲストが多い。「湯殿格闘術」を使う湯殿湯太郎(ゆどの ゆたろう)や、「コピー格闘術」を使うまねっこケンちゃんなど、濃いキャラだけでなく、トンデモ格闘術も見逃せなかった。

 原作には登場しなかった彼らが、“完全新作的”アニメで日の目を見ることはあるのだろうか。ドタバタ劇が楽しい『らんま』の世界でもう一度大暴れしてほしいものだ。

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