『週刊ヤングジャンプ』(集英社)にて連載中の、原泰久さんによる大人気漫画『キングダム』。7月12日に実写映画の第4弾である『キングダム 大将軍の帰還』が公開され、大きな話題を呼んでいる。
原作でもおなじみのキャラクターである龐煖や李牧が登場する本作は、公開10日で興行収入が36億を突破し、歴代映画シリーズ同様の大ヒットを記録している。
本作の実写映画では原作イメージを再現するため、役者たちが過酷な“役作り”に取り組んだことも有名だ。4作目となる今回もその高いクオリティは健在で、観客を魅了している。
そこで『キングダム』の世界観を作り上げる、俳優たちの凄まじい役作りについて見ていこう。
■山籠もりによって作られた強敵の立ち振る舞い…吉川晃司
前作となる『キングダム 運命の炎』のラストシーンに登場し読者を沸き立たせたのが、原作屈指の強敵として君臨する龐煖である。主人公・信や王騎将軍の前に立ちはだかるこの強敵を、吉川晃司さんが演じることとなった。
自らを“武神”と名乗るほど圧倒的な存在として活躍する龐煖だが、吉川さんは彼を演じるにあたり、なんと実際に山籠もりをして撮影に臨んだという。映画版で扱う巨大な“矛”を想定してトレーニングをおこない、過激なアクションシーンも難なくこなせるほどの肉体を作り上げたというのだ。
また、吉川さん自らも“殺陣”についてアイデアを出した結果、原作にはない体術を用いた攻撃を繰り出すシーンがあったりと、原作漫画とはまた一風違ったオリジナリティ溢れる龐煖像を確立している。原作漫画さながらの恐ろしい武神ぶりは、まさに圧巻だ。
■堅牢な肉体はまさに天下の大将軍…大沢たかお
数々の名将が登場する『キングダム』だが、主人公・信を導く存在として圧倒的な存在感、そして、その濃厚なキャラクター性で多くのファンを引き付けるのが、大将軍・王騎だろう。映画では、大沢たかおさんがこの王騎を演じている。
王騎といえば長い髭や喋り方など数々の特徴があるが、やはり実写化において最大の難点は、その筋骨隆々とした巨大な肉体を再現することだっただろう。
大沢さんはよりリアルな王騎像を作り上げるため、なんと体重を20kgも増量する凄まじい肉体改造を敢行。ボディビルダーにアドバイスを受け、自宅にもトレーニング器具を持ち込むなど、徹底したトレーニングで肉体を増強していた。
鍛え上げられたたくましい体躯はまさに王騎そのもの。原作ファンをも唸らせた再現度は必見である。
■スマートに力強く躍動する主人公の勇姿…山﨑賢人
『キングダム』といえば、やはり大将軍を夢見る主人公・信の痛快な活躍も、大きな見どころの一つ。この少年・信を熱演しているのが、山﨑賢人さんだ。
多くの将軍たちが筋骨隆々とした巨体であるのに対し、信は引き締まった体つきをしており、むしろ細身な印象を受ける。このキャラクター像を表現するため、山﨑さんは過酷な減量に取り組み撮影に挑んでいた。
トレーニングはもちろんのこと、とにかく炭水化物などを抜くことで無駄な肉をそぎ落としていったそう。結果、当初の体重から10kgの減量に成功し、引き締まった肉体を持つ信のビジュアルを見事に再現した。
食事制限をしながらアクションをこなす日々はとにかく過酷で、撮影中は体力の消耗も激しかったという。しかし、山﨑さんは、“キツさが信を演じる上でパワーになったので、キツくても最高だった”と、のちのインタビューで明かしている。
過酷な環境をも役作りに利用してしまう、その役者魂には脱帽してしまう。