■扉絵で描かれた出来事は「一大事件」につながるのか?

 バルトロメオの「海賊旗を焼く」という行為は、赤髪海賊団にケンカを売った……つまり宣戦布告ととられても仕方のない暴挙である。

 実際、ワノ国編では、ルフィとシャンクスがニアミスしたが、シャンクスは「ルフィに会う気はない」「ウチの旗燃やしてルフィの海賊旗に変えた…そのケジメはどうする…おれの信頼は?」と告げ、ルフィと会わずにワノ国を去っている。

 これはルフィにとっては重要な出来事かもしれないが、もともとのシャンクスとの関係性を考慮すると、一大事件につながるかと言われたら少々弱い気もする。

 それならば、トンタッタ海賊団のレオが起こした事件のほうが深刻だ。扉絵シリーズで描かれた通り、リク国王とレベッカの護衛としてレオたちは世界会議に参加した。

 またレオと同じく、麦わら大船団のメンバーである「八宝水軍」のサイも、故郷「花ノ国」の王の護衛任務で参加していた。

 そして世界会議の行われる聖地マリージョアで再会したレオとサイは、天竜人のチャルロス聖が、リュウグウ王国の王女しらほしを無理やり捕らえようとする場面に出くわす。

 誰も手出しができない天竜人のチャルロス聖に対し、レオとサイは容赦ない攻撃を炸裂させる。この一件は「天竜人殺人未遂事件」として、世に語られることになった。

 天竜人とは、口答えするだけでも死罪が適用されるほどの絶対的権力者で、過去の長い歴史を見ても、天竜人に手をあげたのは、「ルフィ」とタイヨウの海賊団船長の「タイガー」のみ。そのためレオとサイが起こした「天竜人殺人未遂事件」は、歴史的事件と言っても過言ではないほどのインパクトがある。

 それも麦わら大船団のレオとサイが直接関わった事件だけに、これが引き金となって、もっと大きな事件に発展する可能性はゼロではないだろう。 

 ちなみに扉絵シリーズ「押し掛け麦わら大船団物語」では、盃を交わしていないはずのベラミーの「その後」も番外編として描かれている。ベラミーは海賊を辞め、染物職人として再出発したようだが、彼は破れない布を使って“誰か”の海賊旗を作っている様子。

 麦わら大船団の扉絵シリーズにわざわざその姿が描かれるということは、今後ベラミー作の破れない海賊旗が“誰か”に届けられるシーンが訪れることを示しているのかもしれない。これから先の「麦わら大船団」の活躍から、目が離せなくなりそうだ。

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