■ガンダムらしさが行方不明な『ガンダム・グシオン』

 最後は『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』に登場した「ガンダム・グシオン」だ。『鉄血のオルフェンズ』では、約300年前に起きた一大戦争・厄祭戦時に製造されたガンダム・フレーム採用型MSのことを「ガンダム」と呼ぶが、このガンダム・グシオンもその一機である。

 厄祭戦から時は流れ、高密度デブリ帯で発見されたガンダム・グシオンは、その宙域を縄張りにする宇宙海賊の手を転々とし、劇中では宇宙海賊「ブルワーズ」が保有するモビルスーツとして登場する。

 ブルワーズの手により、大幅な改修が行われたガンダム・グシオンは、超重装甲を施されたおかげで、とてもガンダムには見えないビジュアルに。二足歩行するカエルを思わせるグシオンの鈍重そうなフォルムを見て、ガンダムと言い当てるほうが難しいだろう。

 その後、鹵獲されたガンダム・グシオンは、タービンズによって「ガンダム・グシオンリベイク」として改修。ガンダム・バルバトスルの予備装甲が流用されたことで一気にスリムになり、ガンダムらしいビジュアルに生まれ変わった。

 今回は、パッと見で「ガンダムか」「ガンダムじゃないのか」が分かりづらい、改修が施されたMSを中心に紹介したが、もちろんこれ以外にもガンダムなのか判断が難しいMSは数多く存在する。

 生まれた背景や設定を紐解きつつ、考察や議論が楽しめるのも『ガンダム』シリーズの大きな魅力ではないだろうか。

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