■青銅聖闘士をサポートする『聖闘士星矢』鋼鉄聖闘士
最後は『聖闘士星矢』のアニメオリジナルキャラである、鋼鉄聖闘士の3人を紹介する。
第25話「戦え!アテナのもとで」から登場したスカイクロスの翔、ランドクロスの大地、マリンクロスの潮の鋼鉄聖闘士3人。
白銀聖闘士バベル相手にピンチに陥る星矢たちの前に現れ、彼ら鋼鉄聖闘士のアシストにより、氷河がバベルにかろうじて勝利する。
当初、鋼鉄聖闘士はその正体も意図も分からない謎の存在だったが、のちに城戸光政の指令で養成された青銅聖闘士をサポートするための非正規の聖闘士ということが明らかとなる。
また鋼鉄聖闘士の聖衣は、射手座の黄金聖衣をもとに開発されたメカメカしいもので、オブジェ形態ではハンググライダーやスケボーのように乗って使用する、聖衣自体が動いて攻撃するなど、ほかの聖衣にはできないことができた。
鋼鉄聖闘士のこのような特徴は原作の世界観とはかけ離れたもので、現在では賛否両論が巻き起こりそうだが、彼らが登場した当時、筆者は小学生だったこともあってめちゃくちゃワクワクしたのを覚えている。
白銀聖闘士たちとの戦いではそこそこの活躍を見せたものの、続く十二宮編では大幅に出番がなくなり、存在自体なかったものになってしまった……と思われた鋼鉄聖闘士。しかし、次世代の聖闘士の活躍を描いた『聖闘士星矢Ω』では、なんと昴という新しい鋼鉄聖闘士が登場し、ファンを大いに驚かせることとなった。
今回は、人気作に爪あとを残したアニメオリジナルキャラを紹介してきた。裏の事情を言ってしまえば、連載中の漫画へ追いつかないための尺伸ばしや、スポンサーの意向などさまざまな大人の事情で誕生したキャラたちともいえる。
近年のアニメはシーズン制が広く導入され漫画に追いつく心配も少なくなったし、当たり前だが、原作に忠実であることが最も評価されるポイントとなっている。
ゆえに、今回紹介したような大胆なアニメオリジナルキャラは誕生しにくくなっているのが現実だろう。原作に忠実に……という意向はもちろん大賛成だが、少し寂しくも感じてしまうのは筆者だけだろうか。