アニメには原作漫画には登場しない「オリジナルキャラ」が存在する。彼らは物語に新たな風を吹き込み、作品の魅力をさらに引き立てることがある。
たとえば、『幽☆遊☆白書』のアニメオリジナルキャラである青鬼のジョルジュ早乙女が有名だろう。上司であるコエンマとまるで漫才コンビかのような息ピッタリな掛け合いで、視聴者を楽しませてくれた。
そこで今回では、アニメオリジナルキャラたちにスポットライトを当て、彼らが作品にどんな活躍を見せたのか紹介していく。
■界王様ファミリーとしてレギュラー化『ドラゴンボールZ』グレゴリー
まず一人目は、『ドラゴンボールZ』のアニメオリジナルキャラであるグレゴリーを紹介する。
第20話「よみがえるサイヤ人伝説! 悟空のルーツ」にて。舞台は界王星、バブルスを捕まえることができた悟空の次の修行相手として、グレゴリーは登場した。大きな黒い目のかわいい虫のような生物で、登場して早々、悟空からは「バッタみてえなヤツ」と言われていた。
グレゴリーとの修行内容はシンプルで、素早く飛び回るグレゴリーを用意されたハンマーで叩き落とすというものだ。地球の10倍もの重力を持つとされる界王星をグレゴリーはものすごいスピードで飛び回り、悟空も「いやぁ速えのなんの オラこんなヤツ初めてだ」と、グレゴリーのスピードに驚く様子を見せる。
また、可愛いけれど「ウホウホ」しか言えないリアル猿なバブルスに対して、グレゴリーはプライド高く流暢に喋るので、その面でも物語に変化が生まれていたように思う。
その後、グレゴリーはピッコロら4人が界王星で修行した際にも登場。さらには、人造人間・セル編の終盤、地球でセルが自爆するのを阻止するため、悟空がセルを連れて界王星に瞬間移動した際も姿を見せており、界王様とともに慌てふためく様子が描かれていた。
さらに、続編にあたる『ドラゴンボール超』でもグレゴリーはもちろん登場しており、バブルスとともに界王様と仲良く暮らしている様子が描かれている。
原作漫画にはいっさい登場していないものの、アニメ版では逆にいないと違和感を感じるほど界王様ファミリーとして不可欠な存在となっていた。
■“KING”事実上のNo.2『北斗の拳』ジョーカー
アニメ版『北斗の拳』に登場するジョーカーもアニメオリジナルだったが、悪役としてなかなか魅力的なキャラだった。
ジョーカーは黄緑色の短髪に細身の体、トランプを手裏剣のように投げる技を得意とするほか、「南斗翔天拳」の使い手でもある。序盤ではシンの参謀役として登場回数も多く、原作ではシンが担っていたハートをキレさせる役も、アニメではジョーカーがトランプを投げ、キレさせていた。とくに、策略を練って戦うタイプの悪役としては貴重であったように思う。
“KING”事実上のNo.2であるジョーカー。シンはユリアにご執心だし、ほかの“KING”のメンバーは血の気の多い者ばかり。“KING”がここまで大組織になれたのも、ジョーカーの活躍が大きかったのではないかと個人的には思っている。
策をめぐらせ戦ってきたジョーカーであったが、アニメ21話「魔宮炎上!シン!おまえまであと一歩だ!!」で、ケンシロウといよいよ直接対決することとなる。ジョーカーも十分強者ではあったが、さすがにケンシロウには及ばず、最後は北斗残悔拳を頭に喰らい「メッセージを伝えるなら殺しはしないぞ」と慈悲をかけられるも「情けはいらん やれ!」と言って頭が爆散する。
悪役としては、なかなか見事な最期を遂げていた。