7月5日から放送が始まった新アニメ『グレンダイザーU』は、永井豪さん原作の『UFOロボ グレンダイザー』のリブート作品。その『グレンダイザーU』のなかで実在する場所への破壊描写があり、話題になった。
第1話は、サウジアラビアの首都「リヤド」が舞台で、ベガ星からやってきた円盤獣がリヤドの街並みを破壊。第2話ではフランスの「パリ」が狙われ、エッフェル塔や凱旋門の周辺が破壊されるシーンがあった。これは海外ファンが多い『グレンダイザー』ならではの、ファンサービス的な側面が大きいと思われる。
そして、こういったランドマークの破壊描写はロボットアニメだけのものではなく、むしろ特撮作品のお家芸だ。そこで今回は過去の特撮作品にあった、印象的な「ランドマーク破壊シーン」を振り返っていこう。
■『ウルトラマン』シリーズでは、大阪城や国会議事堂がド派手に破壊
特撮作品の「ランドマーク破壊」といえば、怪獣「ゴモラ」による大阪城破壊を真っ先に思い出す人も多いのではないだろうか。
このシーンがあったのは、『ウルトラマン』の第27話「怪獣殿下(後篇)」。大阪城の近辺に現れたゴモラは、科学特捜隊と自衛隊による猛烈な弾幕をものともせず、大阪城へと向かっていく。
とうとう城に取りついたゴモラは、持ち前の怪力で大阪城を殴打。大阪のシンボルを壊されまいと懸命に攻撃を行う科学特捜隊の奮戦むなしく、ついにゴモラの手によって大阪城は完全に崩れ去るのだった。
大阪城の周りの景観や城壁の細部に至るまで、ミニチュアの精度は高く、城がボロボロと崩れていく映像は迫力とリアリティにあふれていた。
また、2024年2月公開の『ウルトラマンブレーザー』の劇場版には、国会議事堂の破壊シーンがあった。過去に『ゴジラ』などでも破壊されてきた国会議事堂だが、『ウルトラマンブレーザー』では、かなり精密なミニチュアで国会議事堂を再現。最新の映像技術でランドマーク破壊の醍醐味を味わうことができる。
■『ガメラ3 邪神(イリス)覚醒』で描かれた「京都駅」破壊
国会議事堂をはじめ、『ゴジラ』シリーズでは、さまざまなランドマークが破壊されてきた。その一方で、『ガメラ』シリーズでも負けず劣らず見応えのある破壊シーンがある。
そのシーンは1999年公開の映画『ガメラ3 邪神(イリス)覚醒』のクライマックスに訪れる。ガメラとイリスが激突したのが京都駅で、周囲が火の海に包まれる光景が描かれたのだ。
京都駅は『ゴジラ』でも破壊されているが、『ガメラ3』に登場したのは1990年代後半に新築されたばかりの新駅舎。京都の象徴ともいえる巨大な鉄骨造の建造物が精巧なミニチュアで再現されており、新幹線のホームや駅ビルなどがダイナミックに破壊される様子は壮絶のひと言。
ガメラとイリスが駅ビルの中に入り込んでの戦闘シーンもあり、巨大特撮では珍しい屋内でのバトルというシチュエーションも見どころである。
新幹線のホームが破壊される場面は、外部と内部の両側のアングルで映し出され、さまざまな角度から、迫力ある破壊の様子を観ることができた。
ほかにも渋谷駅周辺や福岡ドームなど、平成ガメラ三部作だけに絞っても、さまざまな「ランドマーク」が豪快に破壊されている。