物語も終盤に突入し、ますます盛り上がりを見せている尾田栄一郎氏の漫画『ONE PIECE』。物語が進むごとに新たな仲間や敵が次々現れ、今では覚えるのが大変なほど登場人物も増えている。
最近では初期に登場したキャラが再び姿を現し、ファンを喜ばせることも多い。そこで気になるのが、アラバスタ王国の王女・ビビのような、再会が待ち遠しいキャラの今後の展開だ。
本日7月22日は、同作が『週刊少年ジャンプ』で1997年7月22日に連載スタートしたことを記念して、日本記念日協会により『ONE PIECEの日』に制定された記念日。記念すべきこの日に、今回は、感動的な再会を迎えてほしい懐かしキャラを振り返ってみよう。
■友情の名のもとに幾度もルフィを救った「Mr.2・ボン・クレー」
奇抜な衣装とクセの強い口調でインパクトを残したMr2・ボン・クレーことベンサム。マネマネの実の能力者であり、クロコダイル率いるバロックワークスの一員だった。戦闘スタイルは豪快で、性格は義理人情に厚く友だち思い。知り合ったばかりの友だちのために、命をかけられる男なのだ。
まず印象的だったのが「アラバスタ編」での姿。BW壊滅後、危険を承知でビビを迎えに行くルフィらの友情に感動したボン・クレーは、自らおとりになって一味を海軍から逃がした。戦力差を理解しながら、「かかって 来いや」と敵に対峙する姿はかっこよすぎるものだった。
その後、元仲間のミス・バレンタイン救出のために海軍に挑み、大監獄インペルダウンに投獄。「インペルダウン編」でエース救出のために潜入していたルフィに再会すると、共闘して最下層のレベル6を目指した。
追撃する署長マゼランの脅威に一度は逃げ出すも、毒で瀕死のルフィを救いに戻り、「逃げてごべんねい!!!」と叫ぶボン・クレー。懸命にルフィを守ろうとする姿には目頭が熱くなってしまう。
極めつけは最後。仲間の助けもあってルフィらは脱獄に成功するが、海に出る唯一の道「正義の門」は閉ざされていた。それを知ったボン・クレーは一人残り、マゼランに変身して門を開け、ルフィたちを逃がしたのだ。
追ってきたマゼランに「残す言葉はあるか!!!」と問われ、答えた言葉は「本望」の一言。友達のために身を犠牲にする彼の生き様に、多くの読者が涙したシーンだった。
生死不明だったが、666話の扉絵では「インペルダウン LEVEL5.5番地ニューカマーランド新女王ボン様」のタイトルとともに登場し、生存は確定している。いつかルフィと再会し、友情を確かめ合ってほしいと再登場を願うファンは多いのではないだろうか。
■健気な姿に涙が止まらない「ラブーン」
コミック12巻収録の102話に登場したラブーンはアイランドクジラで、ゴーイング・メリー号が豆粒に見えるほどの巨体と頭全体に無数の傷を持っていた。
麦わらの一味と初めて出会ったのは、偉大なる航路(グランドライン)の入口にある双子岬。ラブーンの体内にいた医師のクロッカスが語ったのは、ラブーンが50年以上も前からある海賊団の帰りを待っているという切ない事実だった。
かつて小さなラブーンとともに双子岬に現れたその海賊団は、これからの過酷な旅を考え、クロッカスに2〜3年預かってくれとラブーンを託した。だがそれ以来、海賊団は戻ってこない。
クロッカスは彼らがもう戻らないことをラブーンに告げるが、海賊団を愛していたラブーンは受け入れず、以来リヴァース・マウンテンに向かって吠え、赤い土の大陸(レッドライン)に頭を打ち付けて壁を壊そうとするようになってしまった。
ルフィは頭を打ち続けるラブーンにケンカを売り、「おれはお前のライバルだ おれたちが“偉大なる航路”を一周したら また お前に会いに来るから そしたらまたケンカしよう!!!!」と”待つ理由”を与え、再会を約束した。
そして47巻の459話、ラブーンの待っている海賊団がブルックのいたルンバー海賊団だと判明する。時を経て回収されたこの伏線。ルフィたちも驚いていたが、読者も大いに驚き、同時に胸が高鳴ったに違いない。
ブルックは約束を果たせぬまま全滅したことを悔やみ、ラブーンに結果を伝えることを義務だと考えていた。長年暗闇の中にいた彼にとっても、ラブーンに再会することが生きる目的になっていたのである。
ラブーンが生きていると聞いたブルックは、「生きててよかったァ!」とわんわん泣いた。再会はまだまだ先になりそうだが、いつか必ず彼らの笑顔が見られることだろう。