■シリーズ屈指の美女ヒロインが、まさかの殉職…

 続いては『ウルトラマン80』に登場する城野エミです。防衛チームUGMの紅一点で、オペレーターが主任務でありながら卓越した操縦技術を披露。積極的に調査にも出動するエリート隊員でした。そしてエミを演じていたのは、女優の石田えりさんです。

 矢的猛と二人で行動する場面が多く、第30話「砂漠に消えた友人」の回では、人間に化けたザタン星人との会話から、いち早く「猛が宇宙人(ウルトラマン80)なのではないか?」と気づきはじめた人物でもあります。

 第43話「ウルトラの星から飛んで来た女戦士」で、ガラガラ星人に追われ、記憶を失っていた女性・星涼子(正体はウルトラの星の王女ユリアン)を猛たちが保護します。そして涼子は、日常生活を送るなかで仲良くなったエミに、友情の証としてブレスレットをプレゼントしました。

 しかし、このブレスレットをつけていたエミを見たガラガラ星人は、彼女をユリアン王女(涼子)だと勘違い。そのままエミを拉致し、ムチで叩くなどの拷問を行います。そこに猛と涼子が救出にきますが、逆に猛に対する奇襲攻撃を察知したエミが猛の盾となり、敵が投じた槍によって体を貫かれました。

 涼子が懸命に手当てをしますが、もはやエミの体は手の尽くしようのない状態。それでもエミは「あなたにはこれからも地球のために戦ってほしい」「だから私、少しも後悔なんてしていないわ」と猛に伝えます。

 そしてブレスレットを渡した涼子にも責任を感じさせないよう優しい言葉をかけたあと、最期は「猛、さよなら」の言葉を遺し、城野エミは命を落としました。

 このように、昭和のウルトラシリーズでは、さまざまな理由でヒロインとの突然の別れが描かれています。シリーズを代表する美しき女性たちとの最期のシーンに、当時大きなショックを受けた視聴者は多かったのではないでしょうか。

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