■「無限列車編」で印象的だった「光る小人」

 続いては「無限列車編」に登場した「光る小人」。

 下弦の壱・魘夢の指示に従い、無限列車内で4人の若者が炭治郎、善逸、伊之助、煉獄それぞれの無意識領域に入ったが、その中で炭治郎の無意識領域に入った結核の青年は、「光る小人」に出会い戦意を喪失することとなる。

 そもそも青年は炭治郎の夢の中に「精神の核」を破壊しに来るが、そこで出会った「光る小人」は、なんと自ら精神の核へ青年を案内した。そのあたたかさと優しさに触れ、青年は大切な心を取り戻したようだった。

 見た目は小さく、頭は炎のようにうねり、顔がないというマスコットキャラクター的な見た目は、『鬼滅』っぽくなくて印象的だった。どちらかというとジブリ作品に登場していそうだ。

 この「光る小人」は、他のキャラの心にもいるのか、見た目は人によって違うのか、今後戦いのヒントとなるのかーーと様々な考察が駆け巡ったが、結局このシーン以降登場することはなかった。

 最後は『遊郭編』にて伊之助の口から語られた鬼殺隊の階級制度。癸(みずのと)から甲(きのえ)まで10段階の階級があるようで、初めは癸からスタートする。炭治郎らは無限列車後には下から4番目の庚(かのえ)に階級が上がっていた。

 階級の確認方法には藤花彫りという特殊な技術を使っており、「階級を示せ」と言いながら手に力を込めると、筋肉の膨張によって手の甲に現在の自分の階級が浮かび上がるというもの。なんとも少年漫画的でロマンを感じる設定だ。

 功績を上げるごとに昇進し、甲の隊士が鬼を50人倒すか、十二鬼月を1人倒すと柱になることができる。

 階級に見合った敵がどんどん登場するのか、階級の上下による人間関係はどうなっているのかとワクワクしたものだが、結局これ以降「階級を示せ」のシーンは一度も出てこずじまいだった。

『遊郭編』『刀鍛冶の里編』時点の炭治郎の階級は何だったのだろうか。あれほど活躍するとどの程度階級が上がるのかも気になるところだったが……。ちなみに柱以外で階級が分かるのは作中で6人だけだった。

 魅力的ながら再登場しなかった設定が、アニメ『無限城編』で描かれることはあるのか? 望み薄ではあるが、ついつい期待してしまうのがファン心理というものだ。

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