■読者にトラウマを植え付けた猫キャラ『HUNTER×HUNTER』ネフェルピトー

 冨樫義博さんの『HUNTER×HUNTER』(『週刊少年ジャンプ』集英社)に登場するギャップのある敵キャラといえば、“ネフェルピトー”である。ピトーはキメラ=アント王直属護衛軍の一員で、猫型の蟻だ。一人称は「ボク」であり、言葉の末尾に「ニャ」と付けるのが特徴だ。

 ピトーは可愛らしい猫耳とふわふわの髪型を持つ。現実でもメイド喫茶で見かけるような可愛らしいビジュアルをしているが、その実力は圧倒的だ。ハンター協会会長であるネテロ会長をして「あいつ ワシより強くねー?」と言わしめたほどである。

 ピトーは登場してすぐにポックルやカイトを無残に殺害しており、その残酷さが読者に絶望的な恐怖感を与えた。とくにポックルの死亡シーンは、作中屈指のショッキングな描写で話題となった。

 しかし物語が進むにつれピトーは変わっていく。大切なものを守るために必死に戦う姿は、人間味に溢れていたように思う。ギャップのある悪役のなかでも、とくに印象深いキャラクターと言えるだろう。

 

「人は見かけによらぬもの」ということわざがある通り、今回紹介したキャラクターはとんでもない正体を持っている。実際にこのような人物が近くにいたらたまったものではないが、見た目のギャップがあるキャラは多くの読者を惹き付けるのも事実だ。

 これから生まれるバトル漫画にも、ギャップのある悪役は多く登場するだろう。実はどんな正体なのかを考察しつつ、読み進めてみるのも面白い。

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