■巻かれ心地が気になる「グルグルガム」
続いては第21回天下一武道会で登場した「グルグルガム」。使っていたのは、4試合目で悟空と対戦したギランである。彼は『ドラクエ』に出てきそうな風貌の乱暴な怪獣という、一見すると強者感漂うキャラだった。
だが、悟空からすればかなりの格下。戦術も不意打ちからの蹴りやパンチなので悟空には特に効かず、あっさりと投げ飛ばされてしまう。しかしギランは空を飛べるため場外にならずに舞い戻り、「まいったっていってもらうしかねえな!!」という悟空に向かってグルグルガムを繰り出す。
この技は、体内で生成したゼリー状っぽいものを口から飛ばして相手を拘束するもの。ちょっとヌメヌメしてそうで触り心地も気になるが、悟空はこれを受けて身動きが取れなくなってしまった。
以前にピラフ城でプーアルに尻尾を切られ、本領発揮できずにいた悟空はピンチに陥るも、とどめを指されそうになった瞬間に尻尾が再生して元気を取り戻し、グルグルガムをぶち破る。反撃前に練習で外壁を蹴り壊す悟空を見たギランはその強さに驚き、「ま…まいった…!」とあっさり白旗をあげたのだった。
■うまくハマれば超攻撃力「天空×字拳」
最後は、真面目で心優しい武道家・ナムの必殺技『天空×字拳(てんくうぺけじけん)』を振り返る。初お目見えは第21回天下一武道会の準決勝で、対戦相手の悟空に撃った必殺技だった。
技はシンプルで、空中に高く飛び両手をクロスしながら落下して衝撃を全て相手にぶつけるというもの。これがかなり強力で、試合では高速回転で目を回して倒れていた悟空の喉元に直撃し、無敵だった悟空の意識を飛ばした。
ナムいわく、技を受けたものは10日は目覚めないそうだが、悟空はカウント9で「きいたあ~っ!」と起き上がり会場をどよめかせる。ショックを受けたナムは、進化させた第二弾「超天空×字拳」を放つ。この技は一発目とは比べ物にならない飛距離で、雲を飛び越え、山や街が豆粒に見えるほど高くまで飛び上がる。
この高さからの攻撃が決まれば、間違いなく致命傷を与えられるだろう。が、悟空はさらにその上まで飛んで先に着地を決め、落ちてきたナムを場外に蹴り飛ばして勝利を決めた。
故郷に水を買って帰るために出場していたナム。負けたことでその目的も潰えてしまうが、正体を明かした亀仙人がホイポイカプセルを渡し、水を汲んで持ち帰れと救いの手を差し伸べた。
ちなみに、この後ナムは亀仙人の頼みで周囲の目を騙すために亀仙人のコスプレをして決勝戦を見学している。
このほかにも、「よいこ眠眠拳」や「ジャン拳」「八手拳」など、個性的な必殺技が次々と生まれた天下一武道会。中には時を経て進化し、再登場するものもあるので、新旧技を比較してみるのも面白いかもしれない。