■50体の鬼を倒すことで鬼殺隊の柱に
さて、『鬼滅の刃』には鬼殺隊の最高位に立つ柱が9人登場するが、そもそも柱や継子にはどうやったらなれるのだろうか。
「大正コソコソ噂話」のようにコミック第11巻の余白で紹介された「鬼殺隊QアンドA」では、「ノブオくん」という謎の少年(?)の質問に作者が答えるという形で、柱や鬼殺隊に関する素朴な疑問に回答がなされた。
それによると、柱になるには十二鬼月を倒す、もしくは鬼を50体倒すことが必要なんだそう。
ちなみに継子には申請して柱が承諾する、あるいは柱からスカウトされればなれるとのこと。基本的には同じ呼吸が望ましいが、違う呼吸であっても継子にはなれるようだ。
実際に、作中では炎柱の煉獄が炭治郎を継子にスカウトしていた。恋柱の甘露寺も煉獄の継子であるが、アニメ「遊郭編」の「大正コソコソ噂話」で語られていたとおり、もともと煉獄には継子はいなかったようだ。その理由は稽古がつらすぎてみんな逃げてしまうため。甘露寺の真面目さと努力家な一面が伝わってくる。
さて、今や世界中で人気となった『鬼滅の刃』だが、別のタイトル案も多くあった。1巻ではこのほかのタイトル候補に『鬼滅奇譚(きめつきたん)』『鬼鬼滅滅(ききめつめつ)』『悪鬼滅々(あっきめつめつ)』『鬼殺の刃(きさつのやいば)』『滅々鬼譚(めつめつきたん)』『鬼殺譚(きさつたん)』『空想鬼滅奇譚(くうそうめつきたん)』『鬼狩りカグツチ(おにがりかぐつち)』『炭のカグツチ(すみのかぐつち)』などの案があったことが明かされている。
語感の似ている『鬼殺の刃』からまるで別作品のような『炭のカグツチ』までバラエティ豊かなラインナップだ。
なお、吾峠氏がデビュー前に、第70回JUMPトレジャー新人漫画賞で佳作を受賞した読切は『過狩り狩り(かがりがり)』というタイトルで、鬼と戦うという『鬼滅の刃』を思わせる作品だった。その後、『鬼殺の流(きさつのながれ)』なる作品のネームを作成し、それが吾峠氏の初連載作となる『鬼滅』へと繋がった。この頃から話の筋は大方決まっていたであろうことが想像できるが、やはり『鬼滅の刃』は『鬼滅の刃』が一番しっくりくる気がする。
このほかにも、『鬼滅の刃』にはたくさんの驚きの「コソコソ話」が存在する。作品の外の部分でもキャラクターのことを知れると、より物語に深みが増すはずだ。