■髪型の完璧な再現に驚いた『遊☆戯☆王』賀来賢人さん
高橋和希さんの漫画『遊☆戯☆王』の主人公・武藤遊戯といえば、奇抜すぎる髪型がトレードマークの個性的キャラである。実写化するにしても、あの独特の髪型を完璧に再現できないことには成功とは言えないかもしれないが、それは至難の業だ。
そんな難しい実写化に挑み、見事遊戯を再現して見せたのが賀来賢人さんである。お目見えしたのは、2019年放送のCM『モンスターストライク』。当時モンストでは『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ』とのコラボイベントが開催されており、その宣伝だった。
監督を務めたのは、『銀魂』『勇者ヨシヒコ』シリーズなどの大ヒットコメディを生み出してきた福田雄一さん。同CMも、書店を訪れた賀来さんが「俺のターン!」と叫んで闇遊戯に変身し謎ポーズを決めるというコミカルな内容で、佐藤二朗さん演じる店員との掛け合いなど笑いの要素が散りばめられている。
賀来さんの遊戯は、前髪のちょっと曲がったところやボリューム満点のヒトデ部分など、細部まで原作から切り取ったかと思うほどにリアル。髪をがっちりと立ち上げ、動いても崩れないスーパーヘアを実現していた。
ちなみに、このCMのサイドストーリーを描いたWEB動画も公開されている。こちらは賀来さんが佐藤さんの家に勝手に上がり込み、遊戯王とモンストを教えるというシュールなコメディ。二人の掛け合いに笑いがこみ上げてくること請け合いだ。
■原哲夫さんも絶賛!伊藤英明さんのケンシロウ
最後は、昭和を代表するヒット作『北斗の拳』の実写化を振り返る。同作はこれまでに1995年にハリウッドで実写映画化されているが、国内では未制作だった。初となる国内での実写化が制作されたのは、ハリウッドから23年が経過した2018年のこと。
制作されたのはロート製薬の男性用ボディケアブランド「デ・オウ 」のCMで、日本初となる実写版ケンシロウを演じたのは伊藤英明さんである。183センチと高身長で鍛え上げられた肉体を持つ伊藤さんは、ケンシロウのキャラクター性との相性も抜群。髪型から服装まで違和感なく役に馴染み、見事に漫画の世界観を表現していた。
さらに、BGMは『愛をとりもどせ!!』でナレーションは千葉繁さん。子ども時代のリンとバットも同行していて、もはや完璧な『北斗の拳』の世界である。
ストーリーがコメディに振りきっていたのも印象深い。世紀末に蔓延する悪臭雑魚に「貴様の体が臭い!」と怒った伊藤さんは、百裂拳ならぬ「北斗デ・オウ拳」を繰り出し、アタタタタと言いながらなぜか自身の体を猛烈に洗い出す。
無限に生み出される泡の勢いで雑魚を洗い、世紀末には貴重だった水を惜しげもなく雑魚にぶっかけ「おまえはもうニオわない」の決めセリフを放つのであった。コメディ路線もいける伊藤さんらしい演技に、笑いがこみ上げてくるCMである。
改めて振り返ってみると、CMながらどの作品も完成度が極めて高い。このキャスティングのドラマを見てみたい、と思った視聴者も多いのではないだろうか。