■シリーズで最も切ない「銀河一身分違いな片想い」
さて、うさぎに叶わぬ恋をするキャラの中でも人気なのが、アニメ5期『美少女戦士セーラームーン セーラースターズ』に登場する星野光だろう。
転入生の美少年アイドル・スリーライツの星野光の正体は、同じくセーラー戦士のセーラースターファイターである。原作漫画では男装の麗人だが、アニメでは変身前は男性で、変身すると女性になるという設定だ。
人気アイドルであり一途で情熱的な性格からモテにモテる光だが、うさぎに一目惚れしたことから彼女にちょっかいをかけるようになる。ちなみにその間、うさぎの恋人である衛はアメリカに留学している。
よって『セーラースターズ』ではうさぎと衛の交流はほとんど描かれず、光のうさぎへの片思いがストーリー自体の主軸となっている。光とうさぎの関係は、光のキャラクターソングのタイトルでもある「銀河一身分違いな片想い」であり、全シリーズの中でも切ないと評判だ。
衛のことを愛しているうさぎに「オレじゃだめか」という告白シーンには、思わずときめいてしまったという人が多いのではないだろうか。
こうしてみるとうさぎが夢中にしてきた人はかなり多く、そのタイプもクール系から情熱的なキャラとさまざま。中にはうさぎ自身ではなくうさぎの前世や未来の姿に、愛という言葉では表現しきれない思いを抱いている人も多そうだ。
彼らの真剣な思いからは、ただうさぎが物語の主人公だからモテるというご都合主義によるものではないことがわかる。彼女の一番の魅力はその人間性にあるようだ。友だちや仲間思いで、いざというときには自分を顧みずに強い意志を見せる。彼女の行動力で心を動かされ、救われた人は男女関係なくかなり多い。
彼女がシリーズを通して精神的に成長していく姿には、ときに涙が流れるほど感動してしまう。そんなうさぎの強さがあるからこそ、彼女は少女たちの憧れの存在であり続けるのだろう。