ファミコンの時代といえばテレビも全盛期で、子どもの頃には再放送作品も含めて特撮ヒーローに憧れたものだ。『仮面ライダー』や『ウルトラマン』といった超メジャー作品も、当然ながらファミコンソフトとして登場していた。
一方、ファミコン後期にはエンジェル(現:メガハウス)から“渋め”の特撮作品ゲームが発売され、どれもグラフィックが綺麗で迫力があった。今回は、そんなエンジェル発の特撮作品ゲームを振り返ってみよう。
■まさかファミコン化されるとは!スピード感とテンポがリズムよく軽快だった『鳥人戦隊ジェットマン』
1991年12月に発売されたのが『鳥人戦隊ジェットマン』だ。ドラマは同年2月に放送スタートしており、よくゲーム化できたものだと感じてしまう。
というのも、本作は通常の特撮ヒーローものではなく、濃厚な人間ドラマをメインとしていたからだった。ふつう、戦隊シリーズは男女混合のチームを組んで敵と戦うものの、当たり前だが男女の恋愛事情などは深く描かれない。
だが、本作はトレンディドラマのようなドロドロの愛憎劇が含まれる。チーム内で付き合ったり別れたりといった恋愛模様が垣間見られ、これまでの戦隊シリーズとは趣向が違っているのだ。ブラックコンドルの結城凱が敵ではなく、普通の人間に刺されるというラストシーンはかなりショッキングで、今でも語り草となっている。
当時はトレンディドラマが流行っていたし、この時期はちょうど『東京ラブストーリー』(フジテレビ系)が一大ブームとなっていた頃。筆者はすでに中学生でドラマも見ていたし、前クールの『すてきな片想い』(フジテレビ系)の中山美穂さんに心を奪われていたので、男女の恋愛模様も面白く感じたものだった。
肝心のゲームは、横スクロールのアクションもの。操作性もバランスよく、ステージごとにだれを操作するのか選べたし、ボス戦ではグレートイカロスに合体したロボットバトルを楽しめる。特にこの合体シーンの映像は素晴らしく、オープニングも含めて原作ファンにも納得のビジュアルといえるのではないだろうか。
スピード感があってテンポやリズムも軽快。BGMも抜群で、さすがはファミコン後期に発売されたゲームなだけあった。
■敵がリアルで怖かった…ボタン連打で切り抜けた『恐竜戦隊ジュウレンジャー』
1992年11月に発売されたのが『恐竜戦隊ジュウレンジャー』だ。テレビドラマは同年2月から放送されている。筆者は前作の『鳥人戦隊ジェットマン』が面白かったので、第一話から見ていた。
さて、ゲームは横スクロールアクションゲームだが、『鳥人戦隊ジェットマン』と違って、ステージごとに使用できるキャラクターが決まっていた。
グラフィックは抜群に綺麗で、一般的なアクションゲームよりもキャラクターが大きく見えるのだが、これがまた迫力たっぷり。敵キャラも妙にリアルで怖い。特に魔女バンドーラなんてテレビよりも怖く感じたほど……。
残念だったのは、6人目の恐竜戦士であるドラゴンレンジャーや、その守護獣(ロボットではない)がストーリーに登場しないこと。ただ、ミニゲームが収録してあり、ちょっと本編に飽きた場合は息抜きもできるのはうれしかった。魔女バンドーラが妙にリアルだったように、グラフィックが綺麗だったのは素晴らしかった。
ボス戦は効率よくジャンプやしゃがみをこなし、ボタン連打で攻撃するのが爽快だった。