■飛信隊の名付け親となる

 王騎は信のことをずっと気に留めていた。負けん気だけは誰よりも強く、力が無くても逆境を乗り越えようとする根性があるからだ。ただ戦いが上手いだけの人物ならいくらでもいるが、信のように戦いの中で人を惹きつける力を持つ者は少ない。

 だからこそ、王騎は彼を育てたいと思ったに違いない。甘やかすことはせずに、何度も突き放しながらも信を鍛え上げていく。これに信も必死に食らいついていたので、ふたりの間には次第に信頼関係ができあがっていった。

 そして、王騎は趙軍との戦いで信に重要な任務を任せ、これまで名前がなかった彼の隊に「飛信隊」という名前を付けた。これは王騎なりの信への激励とも取れる。最初は小さな隊かもしれないけど、いずれは大きく羽ばたく時がくるかもしれない……。そんな思いもあって、「飛ぶ」という字をいれたのではないだろうか?

 実際、その後の飛信隊は着実に成果をあげていくことになるので、王騎の見る目は間違っていなかったわけだ。名付けのときは「『飛信隊』 この名をあなたの隊に与えます」と言いつつ颯爽と去っており、その後ろ姿が何とも言えずカッコよかった。

 

 王騎は多くの兵士を引っ張る大将軍だからこそ、心を揺さぶる名言や名シーンが多い。信をはじめとした多くのキャラに影響を与えており、作中には絶対に欠かせない存在でもある。

 そんな王騎が今回の劇場版でどんな活躍を見せてくれるのか楽しみだが、実はその中で思わぬ展開も待ち構えている。……続きはぜひ映画を観て確認してほしい。

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