2023年、『すずめの戸締まり』に『THE FIRST SLAM DUNK』、『君たちはどう生きるか』と、日本のアニメが韓国で次々とメガヒットしたことが大きなニュースになった。アニメ文化は韓国でも年々盛んになっていて、独自の視点から描かれる名作アニメも数多く生まれているのだ。
近年はネット配信も盛んになっており、日本でもさまざまな韓国産アニメを見ることができるようになった。そこで今回は日本のアニメ界でも話題になった韓国産アニメを紹介しよう。
■美容大国ならではのサイコホラー『整形水』
『整形水』はオムニバス形式の配信漫画『奇々怪々』を原作とする2020年のアニメ映画で、翌年には日本でも劇場公開された。そのテーマは「整形問題」で、韓国に根強く残る外見至上主義を鋭く風刺している。主人公は外見にコンプレックスを抱える女性イェジ。「整形水」という外見を思い通りに変える商品と出会った彼女が、やがて多くの不幸に襲われるようになるというホラーである。
本作の監督を務めたチョ・ギョンフンさんも、この作品をアニメーションというよりホラー映画として楽しんでほしいと語っていた。実際に観てみると彼の言った通り、本作はサイコホラーとして高い完成度を誇っていることがよく分かる。ストーリーの中盤、整形したイェジが美しさに固執するあまり逆に醜い外見になっていくところなどは、見ていて思わず戦慄してしまった。
しかし、それだけでは終わらないところが、本作の魅力だ。イェジは自分の外見を戻すためにある大きな罪を犯してしまう。さらに、終盤にはミステリーのようなどんでん返しもある見ごたえたっぷりの作品に仕上がっているのだ。序盤からの伏線を回収し、思いもよらない人物の正体が明らかになる衝撃のラストは、ぜひ実際に本編を観て体感してほしい。
■ある日突然超絶イケメンに?大ヒットアニメ『外見至上主義』
『整形水』が美しさに固執する女性を描いた作品であるのに対して、『外見至上主義』はある日突然イケメンに変わってしまう男子高校生を描いたアニメだ。こちらもタイトル通り、“外見至上主義”をテーマにしている。『整形水』と同じく絶大な人気を誇る配信漫画で、アニメ化されて話題となった。
本作のストーリーは、醜い外見のためにいじめられる男子高校生パク・ヒョンソクが、ある日突然イケメンの体を手に入れるというものだ。本作の面白い設定としては、元の体とイケメンの体の両方が