■流れるような手さばきで作り上げる! “カルシファーのベーコンエッグ”:『ハウルの動く城』

 卵つながりだと、『ハウルの動く城』(2004年公開)に登場する「カルシファーのベーコンエッグ」も忘れてはならない。

 ハウルの城ではカルシファーの魔力で料理をおこなっているため、ハウルしか料理をすることができない。そんな彼が流れるような手さばきで作ったのが、ベーコンエッグだった。

 片手で卵を何個も割り、美味しそうなベーコンを焼いたこの料理。マルクルがかぶりつくのも納得の、魅力的な見た目をしている。

 小さなフライパンで器用に料理するハウルもさることながら、個人的には卵のカラをもぐもぐと食べているカルシファーが可愛く、癒されるシーンでもある。

 ハウルが作ってくれる朝食という付加要素もあり、ファンから人気の「ジブリ飯」だ。

■力仕事の活力!“パズーの肉団子スープ”:『天空の城ラピュタ』

 最後にご紹介するのは、再び『天空の城ラピュタ』から。物語の冒頭シーン、炭鉱で働くパズーが夜食用に購入するのが、「肉団子のスープ」だった。持参したポットを差し出し、「おじさん、肉団子ふたつ入れて」と、注文するパズー。

 力仕事で体力が必要な炭鉱の仕事を幼いながらもこなす彼の活力になるであろう、このスープ。ほかほかとおいしそうな見た目で、ファンから「食べてみたい」という声も多い一品だ。

 肉団子が入っており、オレンジがかった色のスープからトマトが使われているのではないかと推測されるこの料理。トマトベースのスープとあって、肉団子の入ったミネストローネふうの料理に見える。

 一人暮らしのパズーが気軽に買える値段なので、具材はそれほど多くはなさそうだが、店の店主がおたまにひとすくいするこのスープが、パズーの体をあたため癒すのだろう。つくづく宮崎監督はシンプルながら魅力的な料理を描く天才だと思う。

 

 今回ご紹介した「ジブリ飯」以外にも、ジブリ作品には魅力的な料理が登場する。ほかほかとおいしそうな料理の数々。作中で料理について詳しく言及されることはないものの、ファンたちはわずかなヒントから「ジブリ飯」を再現することを楽しんでいるようだ。

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